砕氷船ローリエ航海チーム

最後の海洋観測(2014.7.22)

チームメンバー:菊地 隆(海洋研究開発機構)

7月21日 氷縁域での観測

昨日からDBO-4というチャクチ海北東部での観測を続けています。このあたりにはまだ海氷が残っており、昨日はシロクマやセイウチが遠くにいるところが見えたそうです。さすがに海氷近くでの観測は水温がとても低く、採水の際に手がものすごく冷たく感じます。海氷は、青白くとてもきれいなものもあれば..... 灰色に汚れたものもあります。ですが、どれも融解が進んでいるところで、この場所もあと数週間後には海氷がない海域になるのでしょうね。

7月22日 係留系BCH-14設置作業

いよいよ航海も終わりに近づき、アラスカ州バロー沖まで来ました。今日はバロー沖の係留系の設置作業です。事前に船側で集めた情報では、バロー沖にはまだ多くの海氷があるので、係留系作業ができるかどうか心配だったのですが...... 設置予定地点に着いてみると、十分に広い海氷がない場所がありました。海況も穏やかで、絶好のコンディションです。一番上のフロートから順に観測装置などを海に繰り出していき、最後にアンカー(重り)を釣り出して、これを離す。するとアンカーから順に海の中に沈んでいきます。チャクチ海南部の係留系ともども、来年の回収を楽しみに待つことにしましょう。

その後は、バロー沖の観測線(DBO-5)で最後の海洋観測を。そして明日は昨年入れたBCH-13の回収作業が予定されています。こちらも海氷状況が心配。無事に作業ができることを祈るばかり。