公開利用研究の公募(二次募集)について
─第53次日本南極地域観測隊実施計画策定に向けて─

 国際地球観測年(1957~1958年)を契機に開始された日本の南極地域観測事業では、1977年からは5年(第Ⅶ期にあっては4年)を一区切りとする中期的な計画を基に各年度の実施計画を立案してまいりました。現在計画中の南極地域観測第Ⅷ期計画(2010〜2016年;第52次〜57次)からは、6年間を単位とする中期計画に基づいて実施することになり、「研究観測」や「基本観測」等という枠組みで実施されます。

 一方、これらとは別に、第52次隊(2010年度出発)から「公開利用研究」という新たな研究観測のカテゴリーを導入しました。今回、主に今年度認められた科研費等による研究を対象にした二次募集を行います。多数の研究者の応募を期待しております。
 なお一次募集については、「公開利用研究の公募について ─第53次日本南極地域観測隊実施計画策定に向けて─」をご参照ください。

 公開利用研究は、南極地域観測事業の枠外で実施されます。国立極地研究所は、大学共同利用機関として、研究者の自由な発想を源泉とする学術研究を推進する役割を担っており、6か年にわたる事業計画に載らない機動的な計画を募集するものです。大学等の研究者が事業計画の枠組みに縛られることなく南極の科学的価値を最大限に活用し、かつ比較的短期間に集中して研究を推進することを目指しています。

 研究者は必要な経費を負担した上で、南極地域観測事業のプラットフォーム(観測船、基地等の施設・設備)を利用し、研究観測を実施することができます。

 今回の募集は、第53次隊夏期間(南極での活動期間は、2011年12月中旬~2012年2月上旬、同行期間は、2011年11月下旬~2012年3月下旬となります。)に単年度で実施する研究観測で、課題数として2~3件、募集総人数として3~4名程度を見込んでいます。

 国立極地研究所南極観測センターの第Ⅷ期計画実行支援グループでは、提供するプラットフォームの許容限度や日程などを含め、当該隊での実行可能性の観点から第一次審査を行った後、実行可能性の高い計画については、国立極地研究所南極観測審議委員会で審議し、2011年6月頃に決定する予定です。

申請代表者の資格

 1)大学及びその他の教育研究機関に所属する教員及び研究者(大学院学生及び学生は除く) 。
 2)国公私立研究機関、独立行政法人研究機関等に所属する研究者。
 3)上記に準ずる者

参加者の資格と留意事項

1)参加者は、万一の場合を事前想定し、観測作業上の事故に注意し、対処できる保険などを有すること。職員採用などによる身分保障はいたしません。なお安全確保には組織として努力いたしております。南極地域観測隊同行者として観測事業に携わることについての説明を参考にしてください。
  南極地域観測隊同行者として観測事業に携わることについての説明

2)南極における医療の現状と限界を事前に了解してください。
  南極における医療の現状と限界についての説明と承諾について

申込締切

 平成23年5月27日(金)必着

申込方法

 登録サイトにアクセスし、WEB上にてご登録ください。

申込・問合せ先

〒193-8518 東京都立川市緑町10-3
国立極地研究所 南極観測センター 第Ⅷ期計画実行支援グループ(幹事:神山)
TEL:042-512-0677  FAX:042-528-3504  E-mail:

必要経費

 公開利用研究を実施するため南極地域観測隊に同行するに当たり、研究観測に要する費用の他に以下の経費 を負担していただきます。(以下の金額は、あくまで目安です。)

健康診断費用 [約8万円]
南極観測船「しらせ」乗船中及び昭和基地滞在中の食費等諸経費 [約28万円]
昭和基地施設利用料(宿泊費)[1泊当たり896円、最大で総額6万円程度]
国内外との通信費
日本から南極観測船「しらせ」乗船地までの交通費 [約15万円]
南極観測船「しらせ」下船地から日本までの交通費 [約15万円]
その他(旅券、査証取得費、防寒服等の装備品等)