南極昭和基地「自然エネルギー棟」が「2011年度グッドデザイン賞」を受賞

掲載日:2011年10月5日

 国立極地研究所は、南極昭和基地に建設する「自然エネルギー棟」について、日本大 学理工学部半貫敏夫研究室、ミサワホーム(株)との共同で、(財)日本産業デザイン 振興会が主催する「2011 年度グットデザイン賞」に応募し、これを受賞しました。

 「自然エネルギー棟」の基本設計や実施設計にあたり、エネルギー使用や物資輸送に 制限のある南極で、なるべくエネルギーを使わず、廃棄物を出さない建物の工夫が必要 であることへの対応、建物を利用した太陽光発電や風力発電による自然エネルギーを有 効活用すること、また、制御室や蓄電池室を設置し、昭和基地全体のエネルギー使用を 制御する機能を備えること、デザインについては、屋根形状をスノードリフト(ブリザ ードによる雪の吹きだまり)など雪害を軽減するため、敷地形状や周辺の地形などを考 慮した風洞実験・コンピュータ解析を繰り返し最も適した流線型を採用したこと、ドア や廊下、階段幅の寸法、ドアの開閉に対する工夫といった作業環境改善策などが、グッ トデザイン賞の審査の視点(「身体・人間」「生活」「産業」「社会・環境」)において評 価を受けたものである。

自然エネルギー棟の概要

 「自然エネルギー棟」は、国立極地研究所がエネルギーと建物の有効利用を目的に基本 設計した二階建ての大型複合建築物(南極昭和基地最大級)です。雪上車などの車両を 整備するためのスペース、風力発電機の制御と蓄電をするスペース、木工所、工作室な どの作業スペースがあります。

規模:延床面積510㎡
構造:木質パネル
階数:地上2階
用途:雪上車整備室、木工室、工作室、再生可能エネルギー制御室・蓄電池室、車両部品庫、野外観測旅行準備室

グッドデザイン賞とは

1957 年に経済産業省(旧通商産業省)によって創立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を(財)日本産業デザイン振興会が継承し、1998 年に新 たにスタートした我が国唯一の総合的デザイン評価・推奨制度であり、単に形の美しさ を競うだけではなく、「優れたデザイン」の普及によって生活をより豊かにすることや、 産業のさらなる高度化を目指すもの。