第10回 中高生南極北極科学コンテスト
-中学生・高校生の提案を南極・北極へ-
「南極科学賞」「北極科学賞」他を決定
掲載日:2013年10月16日
情報・システム研究機構国立極地研究所(所長:白石和行)は、第10回中高生南極北極科学コンテストの応募提案の審査を行ない、「南極科学賞」「北極科学賞」等を決定しました。
「南極科学賞」の受賞提案は、平成25年11月に日本を出発する第55次南極地域観測隊が南極で、また「北極科学賞」の受賞提案は、北極での観測チームにより、提案にある実験やデータの提供を行います。
受賞した提案の授賞式と発表会を、平成25年11月17日(日)に「南極北極ジュニアフォーラム2013」として、国立極地研究所にて開催します。
第10回中高生南極北極科学コンテストは、平成25年9月6日を締切として提案を公募した結果、776件・52校(中学校26校、高等学校16校、中高一貫校等10校)の応募がありました。
受賞した提案(「南極科学賞」「北極科学賞」、「優秀賞」、「奨励賞」)
南極科学賞 2件
表題:人工の光がない自然な夜空の明るさとは
提案者:海城中学高等学校地学部天文班(代表:西尾真輝)
所属:学校法人海城学園海城中学高等学校(東京都新宿区)
提案の概要と選定理由
夜空本来がどの程度暗いのかを、清浄な大気、無視しうる人為的な光害、極夜が続く極地の特性を活かし調査するという提案で、大気中のエアロゾルにも着目した優れた提案である。予備的な実験による手法の確立やさまざまな考察も評価できる。オーロラや極成層圏雲などの極地特有の光環境の影響など、考察の幅の広がりも期待できる。
表題:極域の海に生息する生物の会話
提案者:山口県立山口高等学校化学・生物部(代表:金石暁典)
所属:山口県立山口高等学校(山口県山口市)
提案の概要と選定理由
自作の水中マイクを使って、極地の海中で生き物が発する音を録音し、その音を利用した生物のコミュニケーションについて調べるという提案である。極地の海洋生物に対しては充分な研究が行われていない分野であるが、ユニークな発想と手作りの道具での予備実験を踏まえての優れた提案である。研究としての将来性があり、提案の先駆性も評価された。
北極科学賞 1件
表題:極地で磁石を作ってみる
提案者:野崎 萌
所属:山崎学園富士見中学校(東京都練馬区)
提案の概要と選定理由
地磁気の強い極地の特性に着目し、極地で鉄をたたくと強い磁石ができるのかとの発想は、物性物理と地球物理の結合という観点からユニークな優れた発想と評価された。シンプルな予備実験で事前考察の仮説を証明しようとする提案である。
優秀賞 2件
表題:凝固点降下・凝固熱と対流を利用した自然冷蔵庫
提案者:宮西優輝
所属:札幌市立宮の森中学校(札幌市中央区)
表題:コウテイペンギンを観察すると
提案者:京都市立西ノ京中学校CS部(代表:志賀海仁)
所属:京都市立西ノ京中学校(京都府京都市)
奨励賞 5件
表題:振動力発電でぽっかぽか?
提案者:TTC(代表:四辺美希)
所属:青森県立名久井農業高等学校(青森県三戸郡南部町)
表題:江戸野菜を極地の食卓へ
提案者:吉岡理恵
所属:潤徳女子高等学校(東京都足立区)
表題:コオリウオは息切れするか?
提案者:清水駿
所属:NHK学園高等学校(東京都国立市)
表題:缶サットを利用した空からの観測
提案者:吉田拓麻
所属:済美高等学校(愛媛県松山市)
表題:原子核乾板
提案者:中村彩音
所属:学校法人滝学園滝高等学校(愛知県江南市)
参考
「中高生南極北極科学コンテスト」は、中学生及び高校生から広くアイデアを公募し、審査の上、南極科学賞、北極科学賞を受賞した提案を南極地域観測隊及び北極での観測をする研究者グループに託し、昭和基地やニーオルスン基地等で実際に行った結果を提案校(者)にフィードバックするという、研究最前線(国立極地研究所)、南極・北極の現場(観測隊)、そして生徒と教員(教育現場)が連携したもので、他の研究機関ではあまり例を見ないユニークなものであるといえます。
この取り組みは、文部科学省、日本学術会議、財団法人日本極地研究振興会の後援により実施しています。
南極北極ジュニアフォーラム2013
○日時:平成25年11月17日(日) 10:00〜17:00
○場所:国立極地研究所(2階)大会議室
○次第:
受賞提案の表彰
受賞提案の口頭発表、ポスター発表
前回受賞提案についての実験報告
昭和基地との中継による報告等
(公開なので一般の方も参加できます。事前にお申し込み下さい。)
問い合わせ先
国立極地研究所広報室 小濱 広美、倉持 章子
TEL:042-512-0655 / E-mail:kofositu@nipr.ac.jp |