昭和基地に第一便、─昨シーズンより5日早い到着─

12月14日現地時間8時14分(日本時間14時14分)、南緯69度00分、東経39度07分(昭和基地西方約20km)の定着氷域に停留中の「しらせ」より、宮岡宏第55次南極地域観測隊長ならびに日高孝次しらせ艦長が乗ったヘリコプターの第一便が第54次越冬隊(橋田元越冬隊長ほか29名)の待つ昭和基地に到着した。昨シーズンと比べ5日早い第一便となった。

南極昭和基地の西約20キロ沖まで進んだ観測船「しらせ」から昭和基地へ向けて隊員や物資のヘリコプター輸送が14日午前(現地時間)から始まり、昨年と比べ5日早く、第55次観測隊が昭和基地に到着した。

宮岡宏観測隊長や日高孝次艦長らを乗せた海上自衛隊のヘリコプターの第一便は、しらせ出発後約7分で昭和基地に到着。昨年から滞在する第54次越冬隊の橋田元隊長らが盛大にヘリポートで出迎えた。第一便には家族からの手紙・ビデオや一年ぶりとなる新鮮な野菜や卵もあり、待ちわびた「初荷」に隊員は顔をほころばせた。

宮岡隊長は「観測隊にとってここからが本番。最終的にしらせの昭和基地接岸を経て、ミッションを達成したい」と笑顔を見せた。

第一便の直前には、海氷上から徹夜で雪上車を輸送したチームや観測隊ヘリコプターも相次いで基地に到着した。

14日朝(現地時間)から優先物資の空輸を開始。17日(現地時間)まで空輸を行なった後、しらせは18日から砕氷航行を再開し、燃料輸送の鍵となる昭和基地へ接岸を目指す。

昨年、一昨年の航海では氷が厚く、しらせは接岸を断念した。ここから昭和基地までさらに約6mの厚さの海氷を割って進む必要があり、接岸できるかどうかは予断を許さない。

昭和基地に到着し、出迎えた橋田越冬隊長(左)に「初荷」を手渡す宮岡宏・第55次南極観測隊長(中)と「しらせ」の日高孝次艦長(右)
=14日(観測隊撮影)