南極観測船「しらせ」の昭和基地沖への接岸について

このたび、南極観測船「しらせ」が、1月4日(土)現地時間16時30分(日本時間22時30分)、昭和基地の沖合約600mの定着氷に到着し、3年ぶりに昭和基地接岸を果たしましたので、お知らせします。

第55次南極地域観測隊(宮岡第55次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」(日髙艦長)は、日本時間1月4日(土)22時30分(現地時間1月4日(土)16時30分)、昭和基地の沖合約600mの定着氷に到着し、3年ぶりに昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たしました。

昭和基地のある南極リュツォ・ホルム湾は、ここ数年、厚さ約6mの海氷と2m余りもの積雪に覆われ、南極観測船「しらせ」は昨年まで2シーズン続けて接岸を断念していました。第55次南極地域観測隊は、昨年12月18日(水)から最も海氷が厚い多年氷帯の砕氷航行を開始し、船首を海氷に乗り上げて割りながら進むラミングを1900回以上繰り返し、18日間かけてこの難所を突破しました。往路のラミング総数は計2227回でした。

南極地域観測隊は、一年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地に搬入することとしており、予定通りに輸送が完了すれば、2月中旬に第54次越冬隊と交代して第55次越冬隊が一年間の越冬観測を開始することになります。

※「昭和基地接岸」とは 昭和基地内の貯油タンクへ燃料をパイプライン輸送するためのホース展張ができる沖合(東オングル島沖合約1km以内の定着氷)に「しらせ」が到着すること。

南極観測船「しらせ」の状況について

1. 南極観測船「しらせ」は、平成25年11月8日(金)に晴海ふ頭から豪州・フリーマントルを経由し、南極昭和基地に向かって出港。

2. 「しらせ」の行動計画の期間 平成25年11月8日(金)〜平成26年4月7日(月)

3. 南極観測船「しらせ」の輸送について
「しらせ」は、日本時間1月4日(土)22時30分(現地時間1月4日(土)16時30分)昭和基地の沖合約600mの定着氷に到着。第55次南極地域観測隊行動実施計画(第143回南極地域観測統合推進本部総会(平成25年11月5日開催)に基づき、一年間の越冬観測を支える燃料を南極観測船「しらせ」からパイプラインによる輸送を行うほか、雪上車による氷上輸送やヘリコプターによる空輸で車両や物資・食糧を基地に搬入を実施。

昭和基地に到着した「しらせ」

しらせの概要
建造年 2009 喫水 9.2m
長さ 138m 排水量 12,650t
28m 連続砕氷能力 1.5m×3ノット
過去の昭和基地接岸の状況
船名(隊次)
接岸/回数
宗谷(1-6) 0 / 6
ふじ(7-24) 6 / 18
前しらせ(25-49) 24 / 25
現しらせ(51-54) 2 / 4

※「しらせ」となってからは、第35次(平成5年)、第53次(平成23年度)、第 54次(平成24年度)に接岸断念。