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南極地域観測第Ⅸ期計画 重点研究観測(※1)の公募について

2014年6月30日

平成28年度から南極地域観測第Ⅸ期計画(平成28年度〜33年度)が始まります。南極地域観測統合推進本部(本部長:文部科学大臣)において、南極観測の今後の重要課題をもとに検討を行った結果、第Ⅸ期重点メインテーマ「南極から迫る地球システム変動」(※2)が設定されました。本公募は、本テーマに沿った重点研究観測計画を、国内の研究者の方々から広く募集いたします。

※1【重点研究観測】とは、研究分野を超えた横断的な発想のもとで提案される大型研究観測です。

(特徴)
①南極における未知の観測領域や南極の特性を生かした新たな研究観測
②国家事業としての南極地域観測事業の中心
③計画期間を通じて集中的に実施
④国内外の機関連携を積極的に推進

南極地域観測の分類(PDF)も併せてご確認ください。(注)

(注)リンク先の資 料は第Ⅷ期計画のものです。第Ⅸ期 計画でも研究観測の枠組みに大きな変更はありませんが、一般・萌芽研究観測の実施期間等の募集内容の詳細は現在検討中です。募集時には詳細をお知らせいたしますが、一般・萌芽研究観測に関しては内容等変更になる事がありますのでご了承下さい。

※2【重点メインテーマ「南極から迫る地球システム変動」】

「南極域から探る地球温暖化」を重点メインテーマとする南極地域観測第Ⅷ期計画(平成22年度~27年度)の実施に伴い、地球環境全体の変動に大きな影響を与えてきた南極域での現在と過去の変動の解明が、地球システムや地球環境変動の解明および将来予測に不可欠であることが明確になってきました。第Ⅸ期計画では、地球システムにおける現在と過去の南極サブシステム(注)の変動と、サブシステム内の相互作用の解明を目的に、上記重点メインテーマのもとで観測を実施します。

今後昭和基地を中心とした東南極および南大洋インド洋区を対象として、地球システムにおける現在と過去の南極サブシステムの変動と、サブシステム内の相互作用の解明を目指す必要があります。特に、第IX期計画では、第Ⅷ期で実施されている重点研究観測を大きく発展させ、地球温暖化を含む全球環境変動という包括的な視点からのアプローチが期待されます。したがって、第Ⅸ期において南極域で推進していくべき重要課題としては、過去の地球変動に遡る観測、および現在の変動を精査・検出する観測という、大きな二つの時間軸上の視点のもとに、超高層大気から地球内部までの鉛直・水平方向の空間的に大きな広がりを持つ融合的な研究が望まれます。さらに、全球的視野や両極を総合的に捉える視点も求められています。

参考資料:第144回南極地域観測統合推進本部総会資料「第Ⅸ期南極地域観測の重点メインテーマ(PDF)

(注)南極サブシステム:
地球システムを構成するサブシステムとして、たとえば気圏、水圏、固体地球圏および生物圏の4つで表現することがあります。ここで述べる南極サブシステムは、これらの気圏、水圏、固体地球圏および生物圏を包括し、南極という地域をひとつのサブシステムとして捉えるものです。南極サブシステムに類似した表現としては、南極寒冷圏が挙げられます。

1.募集内容

南極地域観測第期計画 重点研究観測
・重点メインテーマ「南極から迫る地球システムの変動」に沿った研究観測計画を募集します。

2.募集期間

平成26年6月30日~平成26年8月25日

3.応募資格

日本国内の大学、研究機関等において、教育・研究業務を任務とする職に就いている方で、文部科学省が運営する府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の研究者番号を取得している方。なお、採択時には所属機関の承認が必要です。

また、応募から研究終了に至るまでの間に資格の喪失、長期外国出張その他の理由により、研究の実施者としての責任を果たせなくなることが見込まれる者は、研究代表者となることを避けてください。

4.応募方法

重点研究観測計画提案書(Word)」を記入し、「提出先・問い合わせ先」に記載のメールアドレス宛にご送付ください。

5.研究期間及び研究に関する経費

1)研究期間:最長6年(平成28年度〜33年度)

2)経費:
・南極地域観測事業(運営費交付金)の15~20%程度
 (重点研究観測全体〈複数の課題〉で各年度約2億円程度(第Ⅷ期実績)を想定)
・南極地域における研究観測に限定(国内での研究、成果発表等には使用できません)
・国立極地研究所で予算管理、執行を行います。そのため、課題提案者が極地研究所外の研究者の場合、もう一名所内教員の課題提案者を含むことが必要です。

6.課題の選定方法および今後のスケジュール

1)募集受付(6月30日~8月25日)
2)書類審査(8月後半~9月上旬) 
3)ヒアリング審査(9月9日(火):立川商工会議所会議室)
 ・南極観測シンポジウム内で観測計画の発表及び質疑応答により行うので、必ず提案代表者は出席いただきます。
  やむを得ず代理の方が出席する場合は、提案された計画について把握されている方の出席とします。
4)審査結果通知(10月下旬)
5)第Ⅸ期計画骨子決定(11月)
 ・重点研究観測の枠組みが決定
6)第Ⅸ期一般・萌芽研究観測公募開始(12月頃)
7)第Ⅸ期観測設営計画全体の大枠が決定(11月)
8)事業開始(28年度4月~)

7.審査項目

1)重点メインテーマに沿った課題設定
  ・研究課題が重点メインテーマに沿って設定されており、南極地域観測第Ⅸ期計画の重点研究観測として実施すべき課題であるか
2)研究目的の妥当性
  ・研究目的が、当該事業の目的(①全球的視野 ②社会性 ③国際性)を踏まえて示されているか
3)革新性、独創性、新規性
  ・革新性や独創性に富んだ先端的研究であるか。
  ・国内外の状況からみて、新規性が十分であるか。
4)研究効果、発展性
  ・研究成果が期待できるか
  ・他分野への波及効果の高い研究であるか
5)研究計画の妥当性
  ・研究項目が過不足なく設定され、目標達成に向けてのロードマップが適切に示されているか。
  ・研究を実施するために必要な国内での人材、研究体制、施設・設備が確保されているか。
  ・Ⅸ期6ヵ年で完結できる内容か
  ・予算計画は適切か
6)研究代表者の業績

8.その他

1)複数の課題を調整して一つのテーマとして実施することがあります。
2)研究計画の実施に当たって、各研究計画の代表者及び担当隊員は毎年、自己点検・自己評価を行い、以降の観測計画に反映させることになっています。
3)実施3年目(平成30年度)に中間評価を実施する予定です。評価によっては、その後の計画の見直し等を行う場合があります。

9.参考資料

計画提案書内に記載されている参考資料は以下をご覧下さい(青字をクリックすると表示されます)

1.観測隊員として観測事業に携わることについての説明(PDF)
2.観測隊員に求められる資質(PDF)
3.南極における医療の現状と限界についての説明と承諾について(PDF)
4.健康判定の検査項目(PDF)
5.南極地域の環境の保護に関する法律(以下のHPを参照)
  (環境省HP http://www.env.go.jp/nature/nankyoku/nankyo0.html

10.提出先・問い合わせ先

応募書類に関する不明な点などは、以下の問い合わせ先に連絡してください。

国立極地研究所 南極観測センター研究支援・環境保護チーム
電話:042-512-0780
Eメール:ant-kenkyu@nipr.ac.jp

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