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国立極地研究所が北グリーンランド氷床深層掘削計画に参加
〜北半球最古の氷床コア掘削を目指して〜
掲載日:2008年3月10日
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国立極地研究所は、2008年3月10日に、デンマーク王国コペンハーゲン大学ニールス・ボア研究所との間で、北グリーンランド氷床深層掘削計画(NEEM)への参加に関する合意書を締結し、北半球最古の氷床コア掘削に取り組むこととなりました。
今後は、南極ドームふじ及び北極グリーンランドの両極の氷床コアの解析から、気候変動メカニズムの解明に向けた研究を進めていきます。
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【北グリーンランド氷床深層掘削計画(North Eemian Ice Core Project NEEM)概要】 |
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(1)科学的意義 |
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北グリーンランド氷床深層掘削計画は、北半球の氷床コアからは未だ得られていない最終間氷期(約12万〜13万年前)における気温や温室効果気体等のデータの取得のために、コペンハーゲン大学を中心に計画された国際共同掘削計画です。
グリーンランドでは、1996年から2003年にNGRIP(注)が実施され、3084.99mの氷床コアが掘削されましたが、得られた氷床コアの年代は最深部のものでも約12.3万年前であり、期待された最終間氷期を通じた氷床コアは得られませんでした。
最終間氷期は現在の間氷期よりも気温が5度程度高かったと考えられており、温室効果気体によって温暖化した地球の気候・環境を予測するための比較対象として重要な時代です。また、最終間氷期の直前の氷期の氷を掘削することができれば、氷期から間氷期への移行期の気候・環境変動を復元することができ、氷期が終焉するメカニズムの解明に大きく貢献することができます。
さらに、南極ドームふじの氷床コア解析データとの比較により、氷期・間氷期サイクルや千年スケールの急激な気候変動のメカニズムを全球規模で解明するための強力な手がかりを得ることができます。 |
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(2)参加国 |
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デンマーク、アメリカ、オランダ、カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、日本、中国、韓国、イギリス、スイス、アイスランド、スウェーデン(14カ国) |
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(3)掘削地点(右図参照)
NEEM地点(北緯77.5度 西経50.9度 標高約2,500m)
(4)年次計画
・2008年: |
基地の設置、フィルンエアサンプリング、浅層コア掘削、深層掘削開始(〜400m)、深層コアの現場解析
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・2009年: |
深層掘削(〜1,600m)及び深層コアの現場解析 |
・2010年: |
深層掘削(〜2,560m)及び深層コアの現場解析 |
・2011年: |
深層掘削終了 |
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(注)NGRIP |
図 グリーンランドNEEM地点 |
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North Greenland Ice Core Project(北グリーンランド氷床コア掘削計画)の略。デンマーク、ドイツ、日本、フランス、アイスランド、スイス、スウェーデン、ベルギー、アメリカの世界9カ国が共同して行った氷床コア掘削プロジェクト。北緯75.1度、西経 42.3度の標高2,921mのグリーンランド内陸部で、1996〜2003年までの間掘削が行われ、2003年7月には岩盤まで到達して全長3084.99mの氷床コアが得られました。
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ニュースリリース(PDF) |
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