越冬隊には2名の医師がいて、隊員が万一怪我をしたり病気にかかった時に対応できる態勢を取っています。医務室は管理棟の2階にあり、温倶留中央病院という看板がかかっています。温倶留(オングル)というのは、1930年代に今昭和基地がある地域周辺の航空調査を行ったノルウェーの言葉で釣り針という意味だそうです。
医療隊員の仕事は、急患の診療もさることながら、毎月環境保全隊員と協力して水質検査を行ったり、3カ月ごとに隊員の健康診断の検査をしたり、救急医学の講習を行ったりしています。テーマを決めて医学研究を行う隊員もいます。
医務室には診察室、歯科治療室、X線撮影室、手術室があります。医師の常駐スペースには大画面のハイビジョンプラズマテレビがあり、急患が発生した時には国内と回線をつないで緊急の遠隔医療相談も可能です。歯科治療については2名とも専門外ですが、国内で訓練を受けたりしらせの中で歯科の研修を受けたりして、応急処置は身につけました。
X線撮影室では一般撮影や消化管の透視検査が可能です。診察室は患者発生時は入院できる病室に使用可能ですが、普段は隊員たちが集まって談笑する憩いの場にしております。
手術室では全身麻酔で開頭、開腹、開胸の手術が可能ですが、今までに全身麻酔での手術を受けたのは2名だけと聞いています。
しかし医療隊員はできるだけ本業の方は暇にして、他部門のお手伝いをして欲しいというのが隊員全員の願いです。
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