今まで国内訓練期間や越冬交代後、座学で行われてきた野外オペレーション訓練(野外活動の危険と対策・気象・医療など)の総仕上げとして、地図とコンパスとゾンデ棒を片手に実際に野外に出て、海氷を渡り、昭和基地のある東オングル島⇒1次隊が上陸した西オングル島⇒ポルホルメン(東オングル島よりの南極大陸との間にある小島)⇒東オングル島という周回コースで約10kmを徒歩で制覇しました。このような徒歩で野外調査・観測活動を行う事を観測隊では、「遠足」と呼んでいます。ちなみに宿泊を伴う様な行程の場合は、「旅行」という呼び方をしていますが、どちらも遊びに行っている訳ではなく、しっかりと沢山のお仕事が待って居ます。
一般的に、ゾンデ棒と聞きますと雪崩遭難者捜索などに利用する器具を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、南極では、海氷を渡る際の安全器具として利用します。自分達の足元の氷が安全な状態か、特にクラックが入っている所を横断する場合などは、念入りに氷が脆くないかなど探りながら慎重に、時には素早く渡り切ります。
西オングル島では、1次隊の上陸式地点まで赴き、当時の観測隊が見て居たであろう南極大陸に想いを寄せつつも、以後の行程のためにお昼ご飯を頂きました。日中の気温-16℃の中、参加隊員全員無事に昭和基地に帰還したのは当たり前ですね。
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