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極夜入り

2013年5月30日


沈み往く太陽
日本では、1日のなかで高度が最も高くなる時の太陽の方向は南ですが(南中)、南半球では北(北中)です。極夜に入る前、太陽は地平線の上に数時間しか出ておらず、この方角はほぼ真北です。この時期の昭和基地では、日出も日没も太陽の方向はほぼ北なのです。

 この日、日出は11時58分、日没は12時40分でした。この日没の瞬間から、昭和基地は「極夜」に入りました。およそ44日後、7月13日12時02分の日出まで、太陽は昇りません。幸い、天気は時折晴れ間ものぞく薄曇でしたので、氷山群の彼方に沈み往く太陽を逃すまいと、多くの隊員がカメラを構えていました。

 もう太陽を目にすることはしばらくないんだ、と思っていた3日後の6月2日に、地平線に太陽が顔を出しました!しかも、形が四角です。地表面付近の気温が非常に低下すると、空気の密度が大きく変化して、通常は直進する光が曲がって進む現象が起こり、これを「蜃気楼」と呼びます。昭和基地でも、地平線付近の氷山が、地平線から浮き上がって見えることがよくあります。「四角い太陽」も蜃気楼の一種で、本来、地平線の下に隠れて見えないはずの太陽の一部が、地平線から上に出ているように見えたのです。蜃気楼であっても太陽であることに変わりはないので、まるで太陽からおまけをもらったような気持ちになりました。


極夜入りの方向指示板
「昭和基地」と彫り込まれた大きな看板が立てられている整地された場所を「19広場」と呼び、越冬交代式などの公式行事などで使用します。その19広場の近くに方向指示板が立てられていて、「DOME FUJI」「MIZUHO」「ASUKA」の各基地や、「TOKYO」「FREMANTLE」「SYDNEY」など、観測隊の行動と関わり深い都市の方向と距離が記されています。昭和基地と東京の間の距離は14,000kmです。


四角い太陽
地平線の下にある太陽が、光が屈折して地平線の上に出ているように見える蜃気楼の一種です。

 
5月30日の気象情報
天気 薄曇時々晴
日の出 11:58
日の入 12:40
最高気温 -15.4℃
最低気温 -24.6℃
最大風速 6.2m/s
 
 
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