太陽が戻ってきて約半月後の7月後半から野外活動が再開され、8月7日〜9日にかけては「S16オペレーション」が行われました。“S16”は内陸旅行の拠点になる場所の名前です。今回は様々なオペレーションの中から私が担当した「雪尺測定」と「表面積雪サンプリング」についてお伝えします。
「昭和基地からS16までのルート図」の左下黒いところが昭和基地のある東オングル島、真中の青い旗マークの少し右側が“とっつき岬”、“S16”は右下の辺りにあります。
今回の測定はとっつき岬からS16の間で行いました。
「雪尺測定」とは、雪に差し込んだ竹竿のうち、雪の上に出ている部分の高さを測る作業です。数か月〜1年に1回程度の間隔で測定し、前回測った時との高さの差を見ると、その期間にどのくらい雪が積もったか、もしくは風で飛ばされたり溶けたりしたのかが分かります。竹竿が、積雪の変化を示す“尺”の役割を果たしているのです。
もともと雪に差し込んだ竹竿には雪上車などが安全に走るための道(ルート)の“しるし(標識)”としての役割があります。その為、遠くからでも見つけやすいように、竿のてっぺんに赤い旗がついています。雪尺測定はこのルート標識の竹竿を利用して行いました。
「表面積雪サンプリング」は、国内に持ち帰って、その化学成分などを分析するための雪を採取する作業で、標高差およそ100m毎に行いました。
この日は風が強く雪も降っていたので、視界が悪く、測定結果を記録する紙も飛んでいきそうでした。
次の日は少し天気が回復し、無事すべての作業を終えることが出来ました。
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