最新の昭和基地情報をお届けする「昭和基地NOW!!」野外調査隊はどこ?進め!しらせトピックス






















ペンギンセンサス

2013年11月28日


ルッカリー1
このぐらいの規模だとカウントしやすい。

 早いものでもうこの時期がやってきました。観測隊は毎年同じ時期に昭和基地周辺のアデリーペンギンのルッカリー(集まって子育てをする場所)で個体数の調査を行っているのですが、その時期がやってきたのです。

 この調査は前期と後期の2回実施されます。前期は個体数の調査を行いますが、後期にあたる今回は営巣数の調査で、卵を抱いているペンギンと、卵はないけれど巣の脇に立っているペンギンの数を調査しました。

 冬と違い11月中旬ぐらいから大分暖かくなってきて、しかもあの可愛らしいペンギンを沢山みることができると思うと、仕事と言えども心なしか気分も軽く、スノーモービルに乗って調査に出かけました。

 最近は好天で大分雪も融けてきているのですが、目的の島へ行く途中でもその様子が良く分かりました。また島へ上陸する際もクラックがぱっくりと口を開けていて上陸地点を探すのに少し時間がかかりました。

 そして、島へ上陸してみると沢山のアデリーペンギンがいました。昭和基地でもアデリーペンギンを見かけることはありますが、これほどまで多くのペンギンを一度に見ることはありませんでした。

 調査はルッカリーの脇から3人以上でそれぞれ3回数えます。あらかじめカウントのコツの説明を受け、何度か練習してから本番に臨むのですが、100羽以上になると数えるのに少し手間取りました。

 横になって卵を抱いているペンギンばかりだと数えやすいのですが、中には立っているペンギンもいて、卵を抱いているかどうかが分かりづらいのです。

 調査終了後しばし休憩しながらペンギンを見ていると、卵を抱いていて動きは少ないものの、その愛嬌のある顔や仕草を見ていると飽きることがありませんでした。出来ることならもっとその場にいたかったのですが、調査は1か所だけでなく、他の島にも行かなくてはならないので、名残惜しいと思いながら次の島へ向かいました。


ルッカリー2
このぐらいの規模になると写真撮影を行い後でカウントします。もちろんこのように大規模なルッカリーがあるかと思えば5羽程度の小規模のルッカリーもあります。


ルッカリー3
卵を抱いているだけのペンギンばかりではありません。


ルッカリー4
立っていて卵を抱いているか分かりづらいペンギンもいます。このペンギンは卵を抱いています。


ルッカリーの傍には
ルッカリーの傍には常にと言っていいほど、このトウゾクカモメの姿を見ました。ペンギンの卵や雛を狙っているのですが、私達にはペンギンの無事を祈るしかありません。


島の周辺
目的とする島の周辺にはこのように海面が見えている箇所もあり、少しの間上陸地点を探しました。


分断されたルート
中にはこのようにルートが分断されていて目的とする島へ行くことを諦めたところもありました。

 
11月28日の気象情報
天気 薄曇後時々晴
日の出
日の入
最高気温 2.2℃
最低気温 -4.3℃
最大風速 13.6m/s
 
 
昭和基地NOW!! | 野外調査隊はどこ? | 進め!しらせ | トピックス

Copyright(C)1997-2014 National Institute of Polar Research