『昭和基地NOW!』をご覧頂いているみなさま、あけましておめでとうございます。
観測隊の先輩方からは、越冬隊のお正月は2月1日の越冬交代の日である、とよく言われたものです。昭和基地の夏は、それはもう大変な忙しさです。この『昭和基地NOW!』をまだ第53次隊のみなさんが担当していた昨年のお正月、私たち第54次隊は、昭和基地に到着してまだ2週間足らずで、毎日の作業に精一杯でした。今は、第55次隊が到着して、1,000トンを超える物資の輸送に、第54次・第55次両隊のほぼ全員が従事しています。これと並行して、建物の建築や修繕、発電機、電気、空調、造水、汚水処理諸設備の点検や入れ換え、車両修理、各隊員が担当する業務の引継ぎなども行われています。どれも重要な仕事ですから、カレンダー通りに休みをとることもままなりません。それでも、元旦は休日として、新しい年を迎えました。
大晦日の午後からは、全員で普段、手の届かないところを清掃しました。夕方には、「麺・料理係」のメンバーが蕎麦打ちを始めました。そして、打ち立ての麺で年越し蕎麦を頂いた後は、昨年、夏隊のメンバーとで作成した鐘を撞(つ)いて、行く年を送りました。
元旦は、午前中こそ風が強く曇りがちでしたが、午後から青空が拡がりました。白夜ですから、太陽は一日中空のどこかにありますので、「初日の出」をどう解釈すればよいか考えてしまいます。南極では、その年に初めて目にした太陽が初日、ということでしょうか。昼食は、調理隊員と早起きの隊員が綺麗に盛りつけてくれたおせちのお重でした。午後には餅搗きです。第55次隊のみなさんも駆けつけてくれて、4回に分けておよそ七升の糯米を搗きあげ、夕食は、お雑煮、お汁粉、餅三昧でした。一度目の同じくあっという間に過ぎてしまいましたが、手作り感満載で、自分たちで楽しむ昭和基地ならではのお正月となりました。
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