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二度目のお正月

2014年1月1日


年越し蕎麦を打つ「麺・調理係」のメンバー
越冬期間中、「麺・調理係」のメンバーは、うどんを打ったり、ピザを造ったり、いろいろ楽しませてくれました。今回は、年越し蕎麦という重要なミッションを果たすべく、事前に試し打ちまでする念の入れでした。もちろん、大成功!?

 『昭和基地NOW!』をご覧頂いているみなさま、あけましておめでとうございます。

 観測隊の先輩方からは、越冬隊のお正月は2月1日の越冬交代の日である、とよく言われたものです。昭和基地の夏は、それはもう大変な忙しさです。この『昭和基地NOW!』をまだ第53次隊のみなさんが担当していた昨年のお正月、私たち第54次隊は、昭和基地に到着してまだ2週間足らずで、毎日の作業に精一杯でした。今は、第55次隊が到着して、1,000トンを超える物資の輸送に、第54次・第55次両隊のほぼ全員が従事しています。これと並行して、建物の建築や修繕、発電機、電気、空調、造水、汚水処理諸設備の点検や入れ換え、車両修理、各隊員が担当する業務の引継ぎなども行われています。どれも重要な仕事ですから、カレンダー通りに休みをとることもままなりません。それでも、元旦は休日として、新しい年を迎えました。

 大晦日の午後からは、全員で普段、手の届かないところを清掃しました。夕方には、「麺・料理係」のメンバーが蕎麦打ちを始めました。そして、打ち立ての麺で年越し蕎麦を頂いた後は、昨年、夏隊のメンバーとで作成した鐘を撞(つ)いて、行く年を送りました。

 元旦は、午前中こそ風が強く曇りがちでしたが、午後から青空が拡がりました。白夜ですから、太陽は一日中空のどこかにありますので、「初日の出」をどう解釈すればよいか考えてしまいます。南極では、その年に初めて目にした太陽が初日、ということでしょうか。昼食は、調理隊員と早起きの隊員が綺麗に盛りつけてくれたおせちのお重でした。午後には餅搗きです。第55次隊のみなさんも駆けつけてくれて、4回に分けておよそ七升の糯米を搗きあげ、夕食は、お雑煮、お汁粉、餅三昧でした。一度目の同じくあっという間に過ぎてしまいましたが、手作り感満載で、自分たちで楽しむ昭和基地ならではのお正月となりました。


除夜の鐘
廃材の金属製タンクを利用して製作した除夜の鐘。外は20m/sを超える風が吹いていたため、室内のスペースに吊して、各自の想い胸に梵鐘を撞(つ)ました。白夜中ですから夜はなく、従って除くべき夜もないことには、気づかなかったことにしましょう。


おせち料理の重箱盛りつけ
調理隊員の厳しい(!)指導のもと、真剣な表情で数々のおせち料理をお重にもりつける越冬隊員。おせち料理のいわれや、自分の育った土地のお正月の過ごし方などのおしゃべりも楽しいものです。


餅搗き
やはり、ハレの日は餅搗きです。越冬を始めてから餅を搗くのは5回目で、おそらく今回が最後でしょう。第55次隊夏隊には、観測隊がチャーターしたヘリコプターの外国人クルーがおり、彼等も餅搗きに参加してくれました。


鏡餅
搗き上げた餅で、早速鏡餅をつくりました。南極大陸は、沿岸部の傾斜が急で、内陸部はなだらかな形をしていることから、しばしば「鏡餅」に例えられます。みかんは、調理隊員が手配し、第一便で届けられました。年末からお正月にかけて、美味しい料理を沢山頂きました、感動という点からすると、私はしばらく振りに対面したこのみかんの、色、香、味、存在感が一番でした。

 
1月1日の気象情報
天気 曇後晴
日の出
日の入
最高気温 3.9℃
最低気温 -2.6℃
最大風速 20.1m/s
 
 
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