車両の維持・整備

昭和基地は南極大陸から4kmほど離れた東オングル島にあるため、大陸の内陸部と比べると気候は穏やかです。

夏になると基地内の雪が溶けて地面が露出するので、建設作業には日本国内と同様にトラック、クレーン車、フォークリフトなどの車両を使用することができます。観測隊ではタイヤで走行するこれらの車両を装輪車と呼んでいます。

夏以外の期間は、基地内や海氷上、大陸氷床上が雪・氷で覆われ装輪車では走行できないので、履帯を装備した雪上車、ブルドーザ、油圧ショベル、クローラダンプなどの車両が活躍します。観測隊ではこれらの履帯を装備した車両を装軌車と呼んでいます。

現在、昭和基地で稼働している車両は、装輪車と装軌車を合わせ約50台あり、観測活動や設営作業を続けて行く上でなくてはならない存在です。2名の車両担当の機械隊員が中心となって一年を通して車両の維持と整備を行っています。

1年中使用される雪上車は、メンテナンスがかかせない。専門家の隊員によって常に良好な状態に保たれる。

海氷上で雪上車の履帯が外れた。どんなトラブルにも対応できる力が隊員には求められる。