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【追加情報あり】ロシア西シベリア(ヤマル・ネネツ自治管区)にて調査写真展を開催

公開日:2020年9月8日
追加情報更新日:2020年9月25日
関係課題:社会文化課題

ロシアの西シベリア北部に位置するヤマル・ネネツ自治管区は、現在、極北地域の開発や温暖化による北極海航路利用というコンテクストで重要な位置を占めています。既に天然ガス採掘地域を後背地とするこの地域より、LNGの積み出しが開始されています。他方、この地は先住民ネネツ人によるトナカイ牧畜が展開している地域として知られ、世界の家畜トナカイの7割以上を保有するロシアの中でも、その半数程度が集中する地域です。即ち、開発と先住民という対立・宥和の構図が先鋭的な地域として注目されています。

ArCS IIの参加者 吉田(千葉大学文学部)は、当該地域のトナカイ牧畜民の生業、生活の実態についての人類学的現地調査を1995年より2016年までの間数次にわたり実施し、トナカイ牧畜民の実践的生活の諸相の探求を試みてきました。これらの調査は現地行政機関や住民の理解と協力に全面的に依拠して実施されたもので、今後当プロジェクトによる調査継続のためにも何らかの形で現地還元が模索されるところでした。その中で、調査時に記録した現地住民の生業、生活を収めた写真が多数あることから、ArCS IIの取り組みへの理解と協力への思いを込め、現地行政府の文化行政部局の協力の下、現地で写真展を開催することになりました。主要な開催予定地と期間は以下の通りです(新型コロナウィルス情勢で変更の可能性あり):

ノーヴィイ・ウレンゴイ市(市政45周年記念イベント):2020年9月18-25日
サレハルド市(ヤマル・ネネツ自治管区90周年記念イベント):2020年12月10-15日
ヤマル・ネネツ自治管区ターゾフスキー集落、アンチパユタ集落、ギダ集落:2021年3~4月(トナカイ牧畜民の日記念イベント)

吉田睦・千葉大学文学部(社会文化課題 研究協力者)

追加情報  2020年9月25日更新

ロシアの報道サイト「Server Press」にて、「日本人の目から見たヤマルツンドラ人の生活」というタイトルで本写真展が紹介されました。リンク先はロシア語のサイトですが、展示会場の様子や、実際に展示された写真を見ることができます。

夏季キャンプ移動中のトナカイ牧畜民ネネツ
夏季キャンプ移動中のトナカイ牧畜民ネネツ
冬季の家畜トナカイ捕獲作業中のツンドラ・ネネツ人
冬季の家畜トナカイ捕獲作業中のツンドラ・ネネツ人