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北極関連トピックス解説

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第7回国際北極研究シンポジウム(ISAR-7)を開催

執筆者:山口 一
(ISAR-7組織委員会委員長、国立極地研究所)

第7回国際北極研究シンポジウム(ISAR-7) が、東京都立川市の情報・システム研究機構立川キャンパスおよび国立国語研究所にて、2023年3月6日から10日にかけて、対面とonlineのハイブリッド形式にて開催されました。このシンポジウムは、北極環境研究コンソーシアム(JCAR)と国立極地研究所が主催し、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、北海道大学、名古屋大学宇宙地球環境研究所が共催、文部科学省北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)ほか多くの学会、団体などが支援するという大掛かりなものでした。シンポジウムのテーマは「持続可能な社会を目指す、急激に変化する北極に関する超学際的研究」でした。

    
参加者集合写真

これまでのシンポジウムでは、地球上の他の地域の数倍の速さで進んでいる北極域の温暖化の影響を中心として、北極航路の利用をはじめとした、自然科学、経済、国際法など多分野に跨る学際的研究活動が紹介・議論されてきました。しかし、3年前に始まった感染症の流行と、昨年からの国際情勢の変化は、社会に大きな影響を及ぼしました。北極も例外ではありません。そのため、今回のシンポジウムでは、対象研究領域を安全保障や地政学にも広げ、北極域の研究が人類全体の持続可能な発展に資することも目標の一つにしました。

    
基調講演

今回のシンポジウムでは、4つの基調講演、10の一般セッション、19の特別セッション、16のセッション紹介およびポスターセッションにて、336もの研究発表が行われました。参加者数は448名で、その内訳は対面参加340名、online 108名となります。国数は24に及び、北極評議会を構成する8カ国がすべて含まれています。また、4つの優れたポスター発表に対して賞を授与しました。参加者からの評判もよく、多くの有益が議論も行われ、成功裡に終了したことは、誠に喜ばしい限りです。

ポスター賞授与
ArCS II展示ブース