GRENE北極気候変動研究事業・北極域研究推進プロジェクト 公開講演会「北極温暖化の実態と影響~何がわかったか、これから何をするのか~」

GRENE北極気候変動研究事業/北極域研究推進プロジェクト 公開講演会「北極温暖化の実態と影響~何がわかったか、これから何をするのか~」

情報・システム研究機構国立極地研究所(所長:白石 和行)が代表機関を務めるGRENE北極気候変動研究事業は、2011年から始まりましたが、この3月で終了いたします。事業を締め括るにあたり、この5年間でわかった最終成果を報告する公開講演会を3月5日(土)に品川で開催します。

本講演会ではGRENE北極気候変動研究事業で見えてきた北極温暖化の実態や影響を紹介するとともに、2015年秋に新たに始まった北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の取り組みを紹介し、日本の北極研究の最新情報を社会へ広く提供するものです。

開催概要

  • 日時:3月5日(土) 開場12:30 開演13:00 終了予定17:00
  • ​場所:コクヨホール(品川駅港南口徒歩5分 東京都港区港南1-8-35)
  • 定員:250名 参加費は無料 (先着順)
  • 共同主催:情報・システム研究機構国立極地研究所 海洋研究開発機構 北海道大学

※プログラムは都合により変更する場合がありますので、ご了承ください。

プログラム

12:30 開場
13:00 開演
開会・ご挨拶

何がわかったか —GRENE北極気候変動研究事業(GRENE-Arctic)から

北極では温暖化が地球上の他の地域よりも急激に進んでおり、2012年には、北極海の海氷面積が過去最小を記録するといった変化が起きています。北極での急激な温暖化は、中緯度に気象変化を引き起こし、日本の暮らしの様々な場面にも影響を及ぼしています。本パートでは2011年から開始したGRENE北極気候変動研究事業で見えてきた北極温暖化の実態や影響を紹介します。

13:15〜13:35

研究概要紹介「北極気候変動研究の歩み」(講演と質疑応答)

山内 恭(GRENE北極気候変動研究事業プロジェクトマネージャ、国立極地研究所)

日本の39の研究機関から陸域植生、土壌、雪氷、大気、海洋環境、北極航路など、多岐にわたる専門家約300名が一丸となって研究を進めてきました。分野間や観測とモデルの連携などこれまでに例のない形で北極研究を行ってきましたが、その事業概要と研究成果のアウトラインを紹介します。

13:35〜14:05

研究成果紹介Ⅰ「北極温暖化増幅の正体」(講演と質疑応答) 

吉森 正和(北海道大学大学院地球環境科学研究院・准教授)

北極域の温暖化は地球平均の倍の速さで進んでおり、気候変動による影響が顕著に現れる地域の一つと言われていますが、なぜ北極域で温暖化が増幅されるのか、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。今回、世界中の気候モデルの将来予測シミュレーションを解析した結果、その要因がわかってきました。季節性や海と陸の温暖化プロセスの違いなどを発表します。

14:05〜14:35

研究成果紹介Ⅱ「北極海航路の持続的利用の可能性」(講演と質疑応答)

山口 一(東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授)

北極域の温暖化は北極海の環境にも影響を及ぼします。その中で世界が注目しているのが北極海航路の利用についてです。夏季の海氷減少はどのようになっているのか、北極海航路を利用するには何が必要なのか、経済性はどうなのか、国際的な動きはどうなのか、そして日本の研究はどこまで進んでいるのか発表します。

これから何をするのか —北極域研究推進プロジェクト(ArCS)紹介

GRENE北極気候変動研究事業の後継事業として北極域研究推進プロジェクトが2015年秋にスタート。急変する北極域の気候変動の解明と環境変化、社会への影響を明らかにし、内外のステークホルダーが持続可能な北極の利用など諸課題について適切な判断を可能とする精度の高い将来予測や環境影響の評価等を行います。ArCSの狙いは何か、どのような体制か紹介します。

14:35〜14:55

日本の北極研究の今後のかたち(講演と質疑応答)

深澤 理郎(ArCSプロジェクトディレクター、国立極地研究所/海洋研究開発機構)

14:55〜15:15(休憩20分)

パネルディスカッション:北極温暖化の実態と影響

GRENE北極気候変動研究事業はアラスカ、カナダ、シベリア、北極海など、環北極域で観測を続けてきました。パネルディスカッションの前半では、現場観測豊富な研究者をパネリストに迎え、温暖化の影響が現場でどのように現れているのか、観測の様子を交えながら語って頂きます。後半では、北極研究は今後どのように社会とつながっていくのか、また、ステークホルダーから何を期待されているのか、どうしていくべきなのか、科学ジャーナリストと北極域研究推進プロジェクトのメンバーによるディスカッションを行います。

進行役:室山哲也氏(NHK解説委員)

15:15〜16:15

何がわかったか(60分)

温暖化の影響が観測ではどのように現れているのかをキーワードに、代表的な観測の研究成果をディスカッションで引き出していきます。

山内 恭 (GRENE-Arcticプロジェクトマネージャ)
松浦 陽次郎(周極域の植生−土壌システムの特徴:森林総合研究所・室長)
西野 茂人(海氷減少と海洋環境変動:海洋研究開発機構・主任技術研究員)
立花 義裕(日本の気象への影響:三重大学・教授)
杉山 慎(グリーンランドにおける氷河氷床変動:北海道大学・准教授)

16:15〜16:55

これから何をするのか(40分)

気候変動は科学の世界だけではなく社会生活とも密接にかかわってきますが、北極研究は今後どのように社会とつながっていくのか、また、ステークホルダーから何を期待されているのか、情報はどのように発信していくべきなのかディスカッションを行います。

瀧澤 美奈子氏(科学ジャーナリスト)
深澤 理郎(ArCSプロジェクトディレクター)
齋藤 誠一(北海道大学・北極域研究センター長)
河野 健(JAMSTEC・北極環境変動総合研究センター長)
榎本 浩之(国立極地研究所・国際北極環境研究センター長)

閉会17:00終了予定

会場のご案内

コクヨホール(東京都港区港南1-8-35)
http://www.kokuyo.co.jp/com/hall/access/

JR線、京浜急行線 品川駅港南口(東口)から徒歩5分

お問い合わせ先

国立極地研究所 国際北極環境研究センター 企画情報チーム
​E-mail:grene-kikaku@nipr.ac.jp
TEL:042-512-0922