極地研電子ライブラリー

極地研電子ライブラリー

2020年から、国立極地研究所では従来の紙媒体の極地研ライブラリーに加えて、電子出版をはじめました。
極地研電子ライブラリーは、極域科学に関する様々な研究成果について、単行本や論文のみではフォローしきれない知恵の蓄積を電子媒体で出版していくことを目指すとともに、国立極地研究所学術情報リポジトリの活用、DOIの付与、オンデマンド出版などの実験的プロジェクトでもあります。

今後、極域科学に関する様々な内容を出版していく予定です。

オーロラ物理学シリーズ

オーロラ物理学シリーズは、オーロラ発生の仕組みについて、巻ごとに違った側面から迫る教科書シリーズです。
サブストームや磁気嵐オーロラの電流系といった、この分野のいわば古典的な主要テーマから、従来あまり論じられてこなかったダイナモ理論や磁場のトポロジーといった新しい理論も含んでいます。
国立極地研究所で行われた共同研究集会の成果を収め、オーロラ現象に関連した幅広い範囲の物理を統一的に取り扱っています。

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書名:複合系磁気圏物理学(オーロラ物理学シリーズ1)
著者:田中 高史
単行本:149ページ
発行日:2020/3/31

グローバル磁気流体シミュレーションで再現されたオーロラ発生の仕組みは、有力とされてきた従来の仮説による予想と異なる、別の姿が浮かび上がってきました。
特にオーロラ爆発を伴うサブストーム現象は、複合系と呼ぶプラズマ対流システムの、急激な遷移の現れとして理解しうることが明らかになってきました。

書名:シミュレーションによる新しいSC像(オーロラ物理学シリーズ2)
著者:藤田 茂
単行本:125ページ
発行日:2023/7/14

オーロラは、一定の太陽風のもとに生じるのではありません。太陽風の変化は非常に激しく、その変化に応じて、磁気圏も変化し続けているのです。もっとも単純な変化を一つ挙げるとしたら、磁気圏を急激に押しつぶして一気に小さくする、というものでしょう。本書の助けを得て、この急始あるいはSCとして知られる「過渡応答」を解きほぐしていくことは、そのままオーロラの電流の在り方を理解する基礎となることでしょう。

書名:磁気圏電離圏複合系のエネルギー伝送:宇宙地球電磁気学入門(オーロラ物理学シリーズ3)
著者:菊池 崇
単行本:165ページ
発行日:2021/9/30

オーロラを生み出すエネルギーは、宇宙空間をどのように伝わるのか。本書で解説される、磁気圏と電離圏をつなぐエネルギー伝送の基礎理論は、豊富な観測データによって裏付けされ、宇宙天気予報を支える柱となっています。

書名:磁気圏ダイナモと磁気圏磁場トポロジー(オーロラ物理学シリーズ4)
著者:渡辺 正和
単行本:111ページ
発行日:2020/12/1

オーロラの発電は、どこで、どのように起こっているのか。
プラズマの熱エネルギーが電磁エネルギーへと変換される「ダイナモ」と、地球の磁場と作用する太陽風の磁場が作り出す特徴的な立体形状「トポロジー」から、その基本的な物理学・幾何学に迫ります。

MTIハンドブック

MTIハンドブックは、大学院生・若手研究者が研究を行う際の一助となるような日本語資料を作成する目的で、中間圏・熱圏・電離圏(MTI)研究会で行われた口頭講演を第三者が編集者としてレビューし、一般に公開するものです。原則的には、講演者以外の研究者が編集者を担当しており、講演スライドや講演時に録音した音声をもとに読み切りの資料として編集しています。
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刊行に際して