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2020年8月31日 週刊海氷情報

さて、また1週間経ちましたので、8月31日(月)の北極海氷分布の観測と予報の比較をして行きます。
まずは、人工衛星観測による海氷分布図。比較は次の図から。全体にかなり小さくなりました。
今年の海氷域面積はまだ減り続けていますが、既に、過去2,3位だった2016年と2019年の最小値を抜いて、2012年に次ぐ2番目に小さい値になりました。(まだ速報値ですが)
2012年を下回ることは無いと思いますので、2020年が下から2番目の年になることがほぼ確定しました。

予報はver.1,2を含めて、割と良く合っています。

観測では、Beaufort環流(アラスカ沖合の大きな時計回りの循環流)に乗った氷がまだ解け残っています。ここは、カナダ多島海の北に長年居座っていた古くて厚い氷が流れ出てきたものと思われます。厚い氷は融解に時間がかかりますから。

ver.3の予報は、ver.1,2の予報と違って氷の古さも考慮したので、氷の南下が少し捉えられていますが、十分ではありません。古い氷と言っても、2年目の氷と3年以上の古い氷では厚さも違います。ひょっとしたら、温暖化で古い氷も動きやすくなり、3年以上を経た本当に古い氷の流れ出しが増えてきているのかも知れません。この辺、予報精度の向上だけでなく地球科学的にも重要なことなので、今後検証して行きたいと思っています。

人工衛星による観測図(2020年8月31日)

予報ver.1(5月22日に予報発表)
予報ver.1(5月22日に予報発表)

予報ver.2(6月30日に予報発表)
予報ver.2(6月30日に予報発表)

予報ver.3(7月30日に予報発表)
予報ver.3(7月30日に予報発表)