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2020年9月14日 週刊海氷情報

9月14日の海氷分布の比較(緑が予報、背景の白塗りが人工衛星観測)。
予報はver.1(5月22日に予報発表)。報はver.2(6月30日に予報発表)。予報はver.3(7月30日に予報発表)。

全体的に予報は観測と良く合っています。

しばらくしたら最小面積の予報と観測の比較も出したいと思っていますが、この予報のすごいところは、分布が良く合っていることです。仮に面積が合っていても、2つの海域で+とーでメチャ外しして、足し算したら合計面積は合うということになっているかも知れません。これでは意味がありません。特に、航路利用のための海氷予報という利用面では、分布が合わないと、意味がありません。

少し前に北東航路開通日の予報と観測の比較表を出しました。ArCS IIプロジェクトのwebでも紹介されたヤツです。昨年は面積は10%以上多く予報して、面積予報としては外れたと言われても仕方ないものでした。しかし、全体的に分布が合っているので、航路開通日の予報の誤差が、1週間で収まりました。これは実は凄いことなのです。

まだ「数ヶ月先までの海氷分布予報を出す」という大胆なことをしてくれる他の機関がなく、比較の相手がいないので中々正当な評価をしてもらえませんが、世界最高品質の北極海氷季節予報(まだ夏だけですが)が、日本から発信されているのです。どうやら今年の海氷域面積最小値を迎えたみたいということで、何か締めの言葉のようになりました。比較は来週以降も続きます。

人工衛星による観測図(2020年9月14日)

予報ver1
予報ver.1(5月22日に予報発表)との比較

予報ver2
予報ver.2(6月30日に予報発表)
予報ver3
予報ver.3(7月30日に予報発表)