門崎 学
(平成16年9月修了)
(財)リモート・センシング技術センター 研究部 研究員

極域科学専攻在籍時の研究活動

学部時代には惑星間空間衝撃波という太陽爆発によって生じる波を惑星間探査機の磁力計データから三次元解析する仕事をしていました。また修士時代には気象衛星ひまわりの画像に含まれるノイズ除去を行っていました。どちらも遠隔観測を行う学問ですが、極地研究所の大学院に進学することでこれまでの研究をより身近に感じることが出来るとの思いと最先端の科学を扱えるという期待で志望しました。在籍時には衛星データと南極の現地観測データを解析し、南極氷床の上にある雲の分布を衛星データから見積もるための方法を提案して海氷との相互作用を把握するための研究を行いました。とても困難の多い研究で、それだけに色々な方法を考え、試し、時には失敗もしましたが、今ではどれも欠かすことが出来ない貴重な知識となっています。

現在の研究活動

宇宙航空研究開発機構の衛星プロダクトの一つ、雲の有無を求めるアルゴリズムの改良を行っています。また、北極研究プロジェクトとして北極域の森林火災から土壌水分、雪の観測まで幅広い分野で活動を行っています。そのほか、国際的な災害が発生したときの緊急観測対応や国内の火山噴火を監視するプロジェクトにも携わっています。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

極域科学は対象となる領域が特殊であると思われがちですが、人間の活動域から離れているためにその影響を受けにくく、地球環境の僅かな変化を捉えるのに非常に適した場所です。この利点を最大限生かして研究を進めると自分の研究の強みとなると思います。また、他の専攻と異なり、極域科学の先生方の分野は多岐にわたります。他分野の事でも不思議に思ったこと、わからないことは専門の先生方に伺うことが出来るという極域科学の特権があります。積極的に質問し、どんどん吸収していくと良いと思います。