木暮 優
(平成31年3月修了)
九州大学・学術研究員

極域科学専攻在籍時の研究活動

大気中には、海と同様に様々な波が存在しています。私の研究テーマである大気重力波は、大気波動の1種で雲の上(高度80km辺り)の大気循環を駆動させる役割があると考えられています。大気重力波は下層(10km以下)で主に発生し、風や大気安定度の影響を受けて上空へ伝播していきます。南極上空は極夜ジェットと呼ばれる100m/sを超える風が冬季に吹いており、大気重力波の伝播経路に大きな影響を与えます。私は、光学観測データから極夜ジェットと大気重力波の関係を研究してきました。

現在の研究活動

赤道域のエルニーニョ・南方振動が、超高層大気中の熱潮汐波に与える影響を研究しています。大気重力波は、高度80km辺りの大気循環に寄与すると考えられていますが、熱潮汐波はより高い高度(100km以上)の大気循環に寄与すると考えられています。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

もし、あなたがオリジナルの仮説・疑問を持っており、その検証を極域科学専攻で行うことが出来るのであれば、極地研で楽しい研究生活が送れると思います。多くの場合、想像以上に結果がうまく出ず、研究を進めて行くと元々の仮説は修正を余儀無くされます。しかし、その過程を楽しめる人ならばきっと入学して良かったと感じると思います。