國分 亙彦
(平成21年3月修了)
日本学術振興会特別研究員(PD)

極域科学専攻を志望した理由

修士課程の研究途上、北太平洋の海上で、南極海から飛んでくるというミズナギドリの大群を観察して、南の果ての海に関心が向きました。その後、ロス海での海洋調査へ参加する機会を得て、様々な種類の海鳥が、見事なまでに周極的に生息している様子を目にして、心をすっかり奪われました。極域の広大な海の環境を、海鳥がどのように利用して生きているのか、深く研究してみたいと考え、極域科学専攻へ進学しようと決意しました。

在籍中のフィールドワーク参加歴

2006年7月~8月
ベーリング海セントジョージ島で繁殖するウミガラス類の生態調査(北海道大学・アラスカ大学グループとの共同研究)

2006年12月~2007年1月
南極キングジョージ島の韓国基地付近で繁殖するペンギン類の生態調査

現在の研究活動

潜水性の海鳥類の餌採り行動を、動物に取り付けることのできる小型行動記録計(マイクロデータロガー)により調べています。具体的には、南極で同所的に生息する異なる種類のペンギンの餌採り行動にどのような差があるのか、またベーリング海の島のウミガラス類について、異なる年の間でどのような潜水行動の差があるのかについて研究を進めています。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

「我れ無くも 必ず捜せ南極の 地中の宝 世にいだすまで」とは、100年ほど前に南極を探検した白瀬矗の言葉です。極域科学専攻では、探検心をもって研究を進めてゆけば、いつか「これこそ極地の宝だ!」と感じる自然現象と出会うことができると思います。その時に向けて、自然に対する自分なりの興味と発想を見つけ育て、さらに少しばかりの体力と忍耐力を養っておくことをお勧めします。