増本 翔太
(平成21年4月入学)

極域科学専攻を志望した理由

私は、学部時代は農学部に所属しており、作物に寄生し、病気を起こす菌類の研究をしていました。しかし、畑で作る作物やそれに寄生する菌を見ていて、自然界で起こっている本来の植物と植物寄生菌の関係に興味を持つようになりました。そんな時、当時の指導教員に極域科学専攻を紹介され、南極や北極で自然の生き物と向き合いたい、南極や北極がどんなところなのか見てみたいという気持ちが強く湧きあがり、この専攻への進学を決めました。

現在の研究活動

南極・北極と聞くと、生き物の住めない氷の世界を想像する方が多いですが、緯度の高いところにも陸地はあり、小さな植物やそれに生かされる動物がいます。その中に植物に寄生して生きる菌類もいて、私は今、北緯79度にあるスピッツベルゲン島ニーオルスンのツンドラ生態系に生きる植物とその寄生菌について調査しています。極地の夏は短く、地上が雪から解放される期間は約2カ月しかありません。北極の厳しい環境下で、植物とそれに依存する寄生菌が、どのように生きているのかを明らかにすることを目的に研究を進めています。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

極地は、自然環境がとても厳しく、生物の住みにくい世界です。それは人間にとっても言えることです。しかし、厳しいからこそ、肌でその自然を感じることができ、自然の美しさを強く感じることができます。極域科学専攻は、そんな極地の世界を感じ、その現場で研究活動をしたい人にとって、とても恵まれたところです。極地の世界を見てみたい、感じてみたい学生は是非!!