高橋 晃周
(平成13年3月修了)
国立極地研究所 生物圏研究グループ・准教授

極域科学専攻在籍時の研究活動

極地研の生物圏研究グループでは動物に装着可能な小型の行動記録計(マイクロデータロガー)を開発し、様々な海洋大型動物の潜水・採餌行動を調べています。私はこの記録計を使い、南極昭和基地近くの繁殖地で、アデリーペンギンの採餌行動と繁殖生態についての研究を行いました。その成果を学位論文「定着氷域におけるアデリーペンギンの採餌・繁殖生態に関する研究」としてまとめました。また在学中には同じ記録計を使って北極域に生息するハシブトウミガラスの潜水行動に関する研究も行いました。

在籍中のフィールドワーク参加歴

博士課程1年次5~6月
北海道天売島で繁殖する海鳥ウトウの生態調査(北海道大学グループとの共同研究)

博士課程1年次7月
ノルウェー・スピッツベルゲン島で繁殖する海鳥ハシブトウミガラスの生態調査(ノルウェー極地研との共同研究)

博士課程1年次11月~3月
南極昭和基地近くの繁殖地でアデリーペンギンの生態調査

現在の研究活動

様々な海鳥・海獣類の行動・生態研究を行っています。アラスカ州・プリビロフ諸島のハシブトウミガラス、スコットランド・メイ島のヨーロッパヒメウ、伊豆諸島御蔵島のオオミズナギドリ、亜南極サウスジョージアのマカロニ、ジェンツーペンギン、アオメウ、マユグロアホウドリ、ナンキョクオットセイ、南極シグニー島のアデリー、ヒゲペンギン、を研究対象として野外調査・データ解析・論文作成にとりくんでいます。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

野外調査から論文作成まで一貫した研究のプロセスを学び、楽しみましょう。
「体験のないところからは、ほんとうの批判はでてこない。既成の知識をいくら積み重ねても創造は生まれてこない。世の中が便利になったらなっただけ、その安易さに抗して、みずからの野心をひろげてゆくのが学者というものである。」(今西錦司)