米倉 綾香
(平成31年4月入学)

極域科学専攻を志望した理由

氷床や山岳氷河を掘削することで得られるアイスコアの中には過去の大気や物質が保存されており、分析することで昔の気候変動を復元する手がかりが得られます。学部時代に地球科学を学ぶ中でアイスコア研究に出会い、これまではアイスコア中のエアロゾルを分析対象としていました。研究を進めていくうちに、アイスコアに含まれるガス成分や新しい分析手法にも興味が湧き、どちらも出来る極域科学専攻に入学しました。

現在の研究活動

アイスコアに保存されているメタンに着目して研究を行なっています。数百~数千年スケールの急激な変動は最終氷期から現在までの間に確認されていますが、それより古い年代では連続的なデータは得られておらず、そのスケールでのより詳細な変動は分かっていません。私は72万年前まで遡れる南極氷床アイスコア中のメタンを近年開発された連続融解法を用いて測定し、手法改良のための試験も行いながら、詳細な気候変動の記録を読み解こうとしています。

極域科学専攻を目指す学生へ一言

極域を対象として研究がしたい人にとって最高の環境が整っているといえます。多くの極域の研究者や充実した設備に囲まれて、他の大学とは一味も二味も違った博士課程を過ごすことが出来ると思います。フィールドへ行く機会やバックアップも充実していると思います。やりたい研究が極域にあるという人にはうってつけの専攻です。