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だいち2号による昭和基地近辺の海氷状況観測について

2014年12月11日

情報・システム研究機構国立極地研究所(以下、「国立極地研究所」)と独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」)は、南極観測船「しらせ」の昭和基地沖への接岸に向けて最適な航路を選択するため、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(以下、「ALOS-2」)を活用することで合意し、観測を開始いたしました。

ALOS-2に搭載されたLバンド合成開口レーダー「PALSAR-2」は、天候に左右されず、南極海における海氷の状況を計画的に観測することが可能です。また、高度な解析を加えることにより、海氷が比較的航行容易な一年氷か、多くの困難を伴う多年氷かをある程度識別することができます。

まず「しらせ」の接近に先立ち、11月27,28日に観測を行いました(図1)。氷海突入時期の12月中旬にも、同様の観測を行う予定です。

「しらせ」の接岸は、観測計画の円滑な遂行、また、越冬観測を支える十分な物資輸送を実現するために、非常に重要です。近年、海氷が厚く接岸には厳しい状況の中、国立極地研究所とJAXAでは、ALOS-2をはじめとした各種衛星データを、接岸に向けた重要なデータとして、今後も活用していきます。


図1:2014年11月27日の、昭和基地近辺の海氷状況。星印が昭和基地の位置。リュツォ・ホルム湾内の定着氷を、近年流出したばかりの若い定着氷の領域と、十数年にわたって流出が起こっていない多年性の分厚い定着氷の領域とに区別する事ができる。


図2:「しらせ」の砕氷航行の様子。このケースでは比較的砕氷が容易な一年性の海氷域をスムーズに航行している。

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