大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

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「国際北極環境研究センター」を設置しました

2015年4月3日

国立極地研究所は、重要度を増す北極域研究に対応するため、研究機能、共同利用・共同研究機能及び企画・情報分析機能等を強化した「国際北極環境研究センター」を新たに設置(改組)し、国際舞台をリードする日本の北極研究を推し進めてまいります。

北極に関する科学研究は、冷戦終了後の1980年代後半に国際的に推進する動きが高まり、1990年には国際北極科学委員会(IASC)が発足し北極圏8カ国に非北極圏国も加盟し活動を開始しました。このような国際情勢のもと、国立極地研究所は1990年に北極圏環境研究センターを設置し、1991年にはノルウェーのスバールバル諸島にニーオルスン基地を開設するなど、組織的に我が国の北極研究を開始しました。その後、2004年の法人化に伴う現行の「北極観測センター」へ名称変更しつつ、北極圏の自然科学研究推進の我が国の中核機関として、北極研究の観測情報収集や提供、北極における観測施設の共同利用体制の構築・整備をおこなってまいりました。また、2011年度からはオールジャパンで取り組むグリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス(GRENE)北極気候変動研究事業の中核機関として国立極地研究所が採択を受け、全国の大学及び研究機関と協力しつつ事業運営をリードしてまいりました。

近年、地球温暖化による北極の海氷面積の急速な減少が生態系や気候へ与える影響の懸念とともに、北極海での資源開発や新たな航路開発の可能性など、世界中の各層(国際機関、各国の政策決定者、現業機関、民間企業等)から大きな注目を浴びるようになってきました。事実、北極圏の諸課題を協議する国際組織である北極評議会(AC)から我が国へ専門家の知見が求められているなど、こうした北極を取り巻く諸課題の解決に、科学的知見に基づく現状把握と将来予測が貢献する機会はより一層高まることが予想されます。

こうした動きを捉え、北極観測センターのこれまで培ってきた実績に加え、国際的な研究機能、共同利用・共同研究機能及び企画・情報分析機能等を抜本的に強化することとし、この度、北極観測センターを改組し専任の教員等を多数配置して、平成27年4月1日、「国際北極環境研究センター」を設立いたしました。国立極地研究所では長年にわたる南極観測の実績もありそのリソースも活かしつつ、日本における「極地に関する科学」の中心的な機関として、国内外の研究者コミュニティと連携し、統合的な研究計画の企画・立案やその実施の中核を担い、国際舞台をリードする日本の北極研究を推し進め、我が国ひいては国際社会からの負託に応えてまいります。

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