極夜が明けると日一日と太陽の出ている時間が長くなる。そうすると昭和基地では野外活動の準備が始まります。
野外活動は身の回りに危険が満ちています。雪面や海氷面は一見どこも同じように見えますが、その下には牙を隠したクレバスやタイドクラックが待ち受けています。不用意に踏み抜いてしまうと、そのまま数m下に落下する可能性があります。
そうした事態にならないよう、十分注意して行動する訓練はしていますが、万が一事故が発生した場合を想定して、救出訓練が行われました。実際に野外に行くときに持参する機材を使って訓練を行い、数日に分けて越冬隊員全員が受講します。
訓練は基本的なロープワークに始まり、落ちた人を助け上げるためのロープを固定する支点の作り方、救助時の固定方法、滑車を使った救助システムの作成、そして最後には習得したものを総動員して管理棟非常階段からの降下訓練が行われました。
実際にこの訓練が役立つ事態が発生しないように、注意して活動を行いたいと思います。
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