昭和基地にはいろいろな種類(推定50種類以上!)のアンテナがありますが、ひときわ大きな高さ15mのアンテナが、基地主要部から少し離れたところに40本立っています。これは、8〜20MHzの電波を発射して高度100km以高の電離圏のプラズマの動きを調べるHFレーダーのアンテナです。
HFレーダーは設置してから15年ほどが経過しており、毎年数本ずつアンテナの交換を進めています。12月4〜6日には、今年8本目となるアンテナの交換が行われました。作業はまず、アンテナ本体を倒すところから始まります。アンテナを倒したら、今度はアンテナエレメントを交換していきます。交換し終わったらアンテナを立ち上げて、最後にアンテナのVSWR(アンテナの性能を測る指標)を測って作業終了です。
アンテナエレメントには直径数mmの細いねじも使われているので、どうしても素手の作業が必要になります。そのため、アンテナの交換作業は気温の高い夏期間(12〜2月)に行われるのが普通です。そうはいっても、気温はせいぜい0℃程度ですし、風が10m/sくらい吹いている中で作業することもあるので、やっぱり大変です。作業する隊員たちは、「寒い〜」と文句を言いつつも、快晴の空の下での作業を楽しんでいました。
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