ニーオルスン観測チーム 観測便り

スバールバル諸島 スピッツベルゲン島 ニーオルスンの夏(2012.8.4)

現在地:スバールバル諸島 スピッツベルゲン島

チームメンバー:内田雅己、内田昌男、米村正一郎、小島覚

雪が溶け始め、地表面が見えてきた(6月24日)

白夜の季節 午前0時の太陽(7月13日)

今年は焦げ茶色の夏毛をしたホッキョクギツネに出会えました

寒さのため植物は大きくなれません

雪の下にいる植物病原菌を探しています

今年は例年よりも雪解け時期が早かったようです。6月中旬には7割程度は地面が見えていました。

そのためか植物の芽吹きの時期が早く、6月下旬には花を咲かせている植物も見られました。カオジロガンは夏にニーオルスンで子育てをしていますが、その雛も例年より10日ほど早く孵化しています。現在、雛もずいぶん大きくなりました。植物は花のシーズンが終わり、紅葉し始めています。

今年の夏は、植物、植物病原菌、土壌微生物などを中心としたツンドラ生態系に関する研究を行うために、研究者と学生あわせて8人が基地を利用します。

8月4日には、5名が滞在しています。白夜の期間ですので、夜中も太陽は沈みません。真夜中でも電灯を使わずに外で調査をすることができます。寒さのため、植物は成長できず、その高さは地表面から数センチ程度のものが大半です。

短い夏を生物がどのように過ごしているのか、また、気候の変動が生物に与える影響などについて、地面に這いつくばって調査を続けています。