グリーンランド氷床観測チーム 観測便り

グリーンランド北西部での氷床観測(2012.7.30)

現在地:グリーンランド氷床北西部カナック付近(北緯77度32分、西経69度10分)

チームメンバー:杉山慎、的場澄人、榊原大貴、松野智(北大)、山口悟(防災科研)

氷上を流れる融解水 グリーンランド沿岸の氷帽で氷の表面を流れる融解水

2012年7月16日から、グリーンランド北西部で氷床・氷河の観測を行っています。今夏のグリーンランドは異常な気象が続き、氷床内陸でも融解が進んでいるとの報道がありました。私たちも例年にない悪天候に苦労しながら、氷床・氷河の質量変化に関わる観測を実施しています。

氷河観測ポールの設置
ドリルで氷河に孔をあけて、氷の融解や流動を測定するポールを設置しています。

7月22日(日)

グリーンランドの沿岸には無数の氷河、氷帽が存在し、近年急速に縮小しています。私たちの観測拠点カナック地域の氷帽も縮小が進んでおり、その変動を明らかにするために集中的な観測を行っています。夏の間は雪と氷が融けて、眼下に見下ろす海へと流れ込んでいます。また氷の表面は黒く汚れて日射を吸収しやすくなっており、融解量の増加に拍車をかけていると考えています。

7月30日(月)

ヘリコプターを使った調査を行いました。氷床から流出する氷河に降り立ち、氷河表面でのサンプリング、観測ポールの設置などを行っています。設置したポールを来年以降に再度測定することによって、氷床の質量収支や流動を観測します。

気象情報

天気 晴(6〜18時)