フェノスカンディア森林センサスチーム
フェノスカンディア森林センサス(2014.6.25)
現在地:
Varrio:北緯67度45分、東経29度07分
Hiiumaa:北緯59度05分、東経22度41分
Kangasvaara:北緯63度52分、東経28度58分
チームメンバー:大澤・松浦
積雪の様子:宿泊棟ログハウスから見た様子。下の池のほとりにはサウナが。
樹木限界の岩礫斜面からの眺め:ラップランドの森林地帯が見える
ヨーロッパアカマツとブルーベリーの林:足もとはほとんどブルーベリー
ツルコケモモのなかま:日本では高山植物でも、北緯59度では低地に生息する
ダニにご用心:森林の調査後、車に乗る前にダニチェック
蟻塚:北方林ではしばしばアリが巨大な塚を作ります
森林火災の痕を残す巨木:火事で焦げた部分を覆うように組織が巻き込んでいます
北欧というと森林と湖のイメージですが、この地域はかつて氷床下にあったことと、氷河の削剥・堆積物の性質が、北方林の樹種や構造に影響します。過去百数十年の気候変動の影響と、過去の森林構造の復元を調べるためのセンサス、試料採取を行いました。
夏至も間近という6/17と6/21、北緯68度のVarrio特別自然保護区では、積雪となりました。標高の高い岩礫地になると樹木限界が現れます。
エストニア西部の島、ヒウマ島では、ヨーロッパアカマツの森林が分布しています。足もとはほとんどブルーベリーです。花の時期でした。湿った場所にはツルコケモモが花を着けていました。北の森林では、蚊やブヨの襲撃には閉口しますが、ダニにも要注意。
北方林では、数十年から百数十年に一度の森林火災が発生し、一斉に森林がその後更新します。火災の履歴は、焦げて生き残った幹に残ることもあり、気候条件との関係が解析されています。また、北方林では巨大な蟻塚を見ることがあります。植物、動物、微生物のつながりを介した物質循環や、森林の構造と機能の研究を進めています。