スバールバル諸島ニーオルスン観測チーム

温室効果気体連続観測(2014.8.14)

チームメンバー:村山昌平 (産業技術総合研究所)、後藤大輔 (国立極地研究所)、弓場彬江 (国立極地研究所(東北大学))

(左) カラフルな建物群と氷河。各国研究施設と食堂、宿泊施設などが立ち並んでいます。
(右) 日本の観測基地。観測所と宿泊所を兼ねています。

8月14日午後、ノルウェー、スバールバル諸島、ニーオルスンへ到着いたしました。北緯78度55分、東経11度56分、日本を出発してから約2日での到着です。ここ、ニーオルスンでは二酸化炭素、メタン、酸素、一酸化炭素の連続観測と各種温室効果ガスの濃度とその同位体比分析のための大気サンプリングを行なっており、バックグラウンドレベルでの温室効果気体の季節変動、年変動の解析を通して地球温暖化の解明を目指した研究が進められています。長期間にわたって取得されたデータを解析する際、高い観測精度が求められるため、連続観測装置のメンテナンスを1年に1度程度行なって精度を維持しております。

8月15日、日本より発送した濃度測定に欠かせない標準ガス等のボンベが観測施設へ到着。順次交換していきます。そのほか観測装置のセンサー、ポンプなど1年使い続けて劣化してきた部分を取り替えていきます。

港よりボンベ到着。輸送に耐えるよう木箱に入っています。

ただいま、メンテナンス中。
(左) キャビティーリングダウン法による二酸化炭素、メタン、一酸化炭素測定装置。
(右) 酸素濃度測定装置。

メンテナンス途中ですが、ご飯を食べに食堂へ向かいます。食事の時間は決まっているので、行かないと食事抜きか自炊になります。土曜日の夕飯だけ、お酒の持込が許可されており、それにあわせてちょっとおしゃれする人も。観測施設からの移動は基本的に車。乾燥しているため、車体が砂まみれですが、細かいことは気にしない。

(左) 観測中に使用している車。砂まみれである。リアガラスが落書きスペースに。
(右) ある日のお昼ご飯。バイキング形式で食べ放題です。

日本では夏真っ盛り、熱中症に注意しなければならない毎日ですが、ニーオルスンでは気温約5℃と日本の真冬並みの寒さになっています。ですが、滞在期間中は白夜なので体感温度はそれほど低くはありません。時計を見ていないと深夜になってもわからないので夜更かしに注意。

スバールバル諸島ではホッキョクグマが生息しています。残念ながら(?) 目撃できませんでしたが、フィールドへ出かける際はライフルを持った方に同行をお願いするようになっています。望めば講習を受けて自ら携行できます。

(左) 夕刻以降、ずっとこの程度の明るさが続きます。写真は深夜1時に撮影しました。
(右) 熊注意の看板…食堂周辺へやってきたこともあるようです。