カナダ砕氷船アムンゼン観測チーム

多年氷海域に突入(2014.9.22 溝端)

現在地:アラスカ・バロー
チームメンバー:菊地隆(海洋研究開発機構)、溝端浩平(東京海洋大)、松野孝平(国立極地研/北大院水産)、岩原由佳、伊藤慶造(北大院水産)、小野寺(JAMSTEC)、宇野(MWJ)


カナダ海盆東部の多年氷を進むアムンゼン


XCTD投入

アムンゼン号は本航海最西端の測点(北緯75°12’ 西経172°32’)を9月15日に離脱した後、東に航行しています。17日には、同じく北極海での観測を実施している「みらい」に出会いました。「みらい」に出会った17日には、船上セミナーにて研究内容を紹介し、その際に海氷域の航行を再度お願いしたのが功を奏したのか、開放水面のチャクチボーダーランドを越えて海氷域から海氷縁へと、カナダ海盆を横断する形で充実した観測を行っています。

今年のチャクチボーダーランドは、海の表層(深度20mくらいまで)がカナダ海盆に比べて極めて暖かく、結果的に当該海域では海氷形成が遅れ、開放水面域がしばらく維持されると考えられます。19日にはようやく海氷が見えはじめました。高気圧の影響でまともに東風を受けながら航行しており、風速20m/s以上、気温マイナス7度のなか、海氷と高波の影響で観測点の位置が突然変更されるなど、ようやく北極海らしくなってきました。

昨日の21日にはカナダ海盆東部の海氷域に入り、分厚い多年氷が現れ始めました。残り2日間ですが、海洋にも海氷にも変化が大きい北極海でまだまだ観測は続きます。