カナダ砕氷船アムンゼン観測チーム

やっと会えたシロクマ、アザラシ、そしてクジラたち(2014.9.24 伊藤)

現在地:アラスカ・バロー
チームメンバー:菊地隆(海洋研究開発機構)、溝端浩平(東京海洋大)、松野孝平(国立極地研/北大院水産)、岩原由佳、伊藤慶造(北大院水産)、小野寺(JAMSTEC)、宇野(MWJ)

9月21、22日 カナダ海盆東部(海氷域)



写真はホッキョウグマ(上)と砕氷の瞬間(下)(撮影:岩原)

21と22日にカナダ海盆東部の海氷域での観測が行なわれました。海氷付近を航走していると、海氷の上にいるホッキョクグマを発見しました。初めて見るホッキョクグマに感動し、急いで双眼鏡からカメラに持ち替え何枚も写真を撮りました。また、22日にはアムンゼンが海氷に囲まれた中を砕氷していく瞬間を見ることができました。ホッキョクグマに感動する人、砕氷に感動する人と、人によって感動する所がさまざまにあるということを感じた2日間でした。

9月23、24日 ビューフォート海,アムンゼン湾を東へ航走中



写真はコククジラ(上)とホッキョククジラ(下)の尾びれ(撮影:伊藤)

22日に海氷域での調査を終え、23日の朝目視を始めたころにはすでに海氷はありませんでした。気温も3℃と久しぶりのプラス表示になり、外で調査する人たちは暖かくなったとムスタングスーツを脱いで作業する人もいました。

23日の午前に、最後の観測点であるFull Station(71 04.762N, 133 37.750W)に到着し、観測が行なわれました。しかし、沿岸(水深300m)に近づいたこともあり、今まで半日を要していたFull Stationですが、今回は約4時間ですべての観測が終了し、この航海も終わりが近いのだなと感じました。そんな中、この日は海棲哺乳類の目視にとって本航海で一番忙しい時を迎えました。クグルクツクに向けビューフォート海を航走していると次から次へとアザラシが現れ、1分ごとにアゴヒゲアザラシを中心に多くのアザラシを発見することができました。鯨類では、コククジラとホッキョククジラを発見しました。最初のDBOライン以降、鯨類がいない日々が長く続いておりましたので、クジラに出会ったときは”やっといてくれた!”とまさに感動そのものでした。

24日もクグルクツクに向け東へ航走中で、この日も気温は3℃でした。この日は観測もなく、また目視も何も発見されず。午後には船員も含めLeg2bグループの記念撮影を行いました。夕食後からは下船に向け部屋の掃除や帰り支度を行っています。さて、明日はいよいよ下船です。