砕氷船ローリエ航海チーム

無事に係留系の回収と設置を完了!(2014.7.19)

チームメンバー:菊地 隆(海洋研究開発機構)

7月18日 Point Hope沖

ベーリング海峡を抜けてチャクチ海に入ってから、霧が晴れてきて、時折晴れ間も見えるようになってきました。気温は +8℃程度。チャクチ海に入ってからは植物プランクトンの量(Chl-aの値)がとても多く(高く)喜ぶ人がいる反面、分析で濾過に時間がかかるとぼやく人も数名。霧が晴れて、kittiwakeなど海鳥たちもたくさん見えます。北上しながら観測はちゃくちゃくと進んでいます。

7月18日朝の段階ではアラスカ州のPoint Hope沖まで来ました。1週間ぶりにかすかに陸地が見えました。今日は一日かけてDBO-3というチャクチ海南部のHotspotでの観測です。先ほど終えた最も岸よりの観測点では、いつものように暖かく塩分が低いAlaskan Coastal Waterが見られました。

7月19日 係留系SCH回収・設置作業

昨日朝から夜中までかかってDBO-3 Lineでの観測を終えたあと、今朝は我々の係留系(チャクチ海南部ホットスポット:SCH)の回収設置作業でした。本航海で一番の晴天で、朝日がとてもきれいでした。朝食後の午前7時から作業開始。準備を済ませて、まずはSCH-13の回収から。切離装置の動作が確認できて、切離しコマンドを送り、無事に浮上を確認。... ものすごーくホッとする。何回やっても緊張する瞬間です。問題なく回収できました。引き続き、SCH-14の設置作業。組み上げた係留系を釣って、海中に入れて、ぼちゃん。来年の回収までよろしくお願いします。

引き続き、SCH-13wの回収とSCH-14wの設置も順調に終了。無事に作業を終えることが出来て、安心しました。

このあとは取得したデータの確認をしたうえで、この貴重なデータを使って、海氷減少と海洋生態系の変化に係る様々な研究を進めていきます。

係留系作業が終わった後は一路北上し、DBO-4と呼ばれるチャクチ海北東部の海域へ。しかしここにはまだ海氷があります。明日からは、海氷域での観測になりそうです。