研究課題(7)

北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測代表者

研究代表者:島田浩二(東京海洋大学)

サブ課題:北極海における海洋変動と急激な海氷減少メカニズムの解明

島田浩二(東京海洋大学)

計画概要

近年、北極海の海氷減少は加速しています。これは、 海氷減少を促進させる正のフィードバック・メカニズムが北極気候システムの中に内在していることを示しています。そのメカニズムの解明を目指します。

そのために、 海氷減少が著しい太平洋側の北極海域において、 過去に行われたことのないシステマティックな海洋観測線を設定し、複数の砕氷船を利用して水温、 塩分の測定や採水観測を行います。得られた実測データに加えて衛星データも活用し、 大気―海氷―海水システムにおける、運動量・熱・塩分の輸送の実態と変動を捉え、 海氷変動との関連を把握します。

また、氷上観測や係留系観測によって、海氷変動に伴う海洋循環場、海洋貯熱量、貯淡水量の変動とそのメカニズムを明らかにします。

これらの研究を通して、 急激な海氷減少をもたらす正のフィードバック・メカニズムを解明し、戦略研究目標④「北極海航路の利用可能性評価につながる海氷分布の将来予測」の実現に貢献します。