調査観測機器の利用時における経費と保険について

 独立行政法人海洋研究開発機構(以下、「機構」という。)船舶に搭載されている調査観測機器の運用及び船舶運航に係わる経費は、機構の予算で賄われておりますが、一部研究に係わる経費、乗下船経費及び調査観測機器(潜水調査船、無人探査機を除く)を使用した際に発生する消耗品並びに資機材運送費等は、原則として各研究者の負担となっております。

 調査観測を行う場合に必要となる経費(消耗品・運送費等)並びに保険の取扱については、以下のように致します。

1. 経費について

(1) 観測調査の実施及び観測のための事前・事後作業に観測技術員が別途必要であると機構が判断した場合、その経費の負担を研究者に請求する場合もあります。
(2) 下記の対象調査観測機器を使用する場合、消耗品費の負担を請求する場合もあります。
(3) 持ち込み機器による調査行動で大規模な船舶の艤装替えが必要な場合、その経費の負担を研究者に請求する場合もあります。
(4) 持ち込み機器等の艤装のために別途、重機や作業員の手配を要する場合の経費を請求する場合もあります。
(5) 港湾における観測機材の移送経費は原則研究者の負担とします。
(6) 研究に係わる経費(試料分析・解析等)、乗下船経費(乗下船旅費、乗船中の食費、シーツ洗濯代等)は原則研究者の負担とします。

2. 対象調査観測機器

消耗品の請求等の対象となる調査観測機器は以下のとおりです。

(1) シングルチャンネル音波探査装置(SCS)
(2) 採泥関連機器
  ① ピストンコアラー
  ② 円筒型ドレッジ
  ③ マルチタイプ小型表層採泥器(3本掛け)
  ④ ユーイング式採泥器
(3) アイソバン実験室(RIラボコンテナ)

3. 消耗品について

(1) 上記対象調査機器については、調査観測航海中に使用した消耗品の数量を航海終了後、年度内に同等品を使用数量分、返納をお願いいたします。

(2) 主な消耗品とその概算費用
 参考として対象機器に必要となる主な消耗品とその概算費用を以下に示します。
 ① シングルチャンネル音波探査装置(SCS)
   350,000円/航海(メンテナンスキット他)
 ③ 採泥関連機器
  a. 20mピストンコアラー  120,000円/回(インナーチューブ、ワイヤー他)
  b. 円筒型ドレッジ  70,000円/回(リードワイヤー他)
  c. マルチタイプ小型表層採泥器(3本掛け)  36,000円/回(アクリルパイプ他)
  d. ユーイング式採泥器
    インナーチューブは研究者側で用意をお願いします。その他研究者負担の消耗品はありません。

(3) 持ち帰り用の映像/データ記録媒体(S-VHSビデオテープ、DVD-R、CD-Rなど)、採泥サンプルの保管ケースにつきましては、乗船研究者側で事前に用意し、船舶に搭載願います。

(4) 対象機器以外の観測機器について
 上記機器以外の観測機器(船舶常設機器等)をご使用なさる場合に、必要となる消耗品(例えば薬品類、サンプル瓶、チューブ類、フイルター類、各種ガス、標準物質、ゾンデなど)は、すべて乗船研究者側で事前にご準備ください。

(5) XBTおよびXCTDについて
 マルチナロビーム調査等の音速補正のために使用するXBTおよびXCTDプローブは、運航管理部で用意します。これ以外の目的でXBTおよびXCTDを用いて観測データを取得する場合は、必要本数のプローブを乗船研究者側で事前にご準備ください。

4. 保険について

 以下記載の観測機器の保険(海上貨物保険)は、運航管理部にて付保いたします。ただし、この保険の適用範囲は、機構理事会で承認された航海実施要領書に記載のある範囲でオペレーションした場合のみといたします。現場において研究者側からの変更要求により、発生した故障、損傷および亡失については、使用研究者側の責務において原状を回復して返却をお願いいたします。

海上貨物保険を通年で付保している「みらい」常時搭載観測機器

・小型CTD採水システム
・採水システム(12ℓ×36本用)
・CTD水中部
・カローセル型採水器バイロン