第53次日本南極地域観測隊員候補者の公募について

=観測部門(モニタリング観測)の各担当隊員=

概 要

 南極地域は、その地理的特性と地球環境モニタリングの面から、科学研究や観測上欠かすことのできない重要な地域です。我が国は、昭和30年11月の閣議決定に基づいて、南極地域観測統合推進本部(事務局:文部科学省、以下「南極本部」という)の下で、国際地球観測年(第3回極年)を契機に昭和31年度から国家事業として南極地域に観測隊を派遣して観測活動を継続的に実施し、平成19年1月には、南極観測50周年を迎えることができました。その観測史上においては、オゾンホールや大量の隕石の発見、オーロラ発生機構や大陸氷床コアによる過去72万年の気候変動の解明及び南極生態系の解明など、多くの科学的な成果をあげてきており、平成22年度(第52次)からは、南極地域観測第Ⅷ期計画に基づいた観測計画を実施しています。

 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所(以下、「国立極地研究所」という)では、南極地域観測事業の実施中核機関として、平成16年度に法人となる以前から観測隊員候補者の選考について、主に関係機関や大学・研究機関などからの推薦に基づいて実施してきました。

 この度、第53次日本南極地域観測隊の編成に当たり、国立極地研究所が担当する観測部門のうち以下に示す特定の分野について、さらに広く優れた観測隊員(国立極地研究所の期限付き職員として雇用)を公募することといたしました。

募集要項

(各資料については、青字の資料番号をクリックしてください)

1.募集する隊員の担当分野と人数

(1)南極観測におけるモニタリング観測の詳しい内容については(資料1)をご覧ください。今回の募集は、その中の「宙空圏変動のモニタリング」担当隊員(越冬隊:1名)、「気水圏変動のモニタリング」担当隊員(越冬隊:1名)、「地殻圏変動のモニタリング」担当隊員(越冬隊:1名)です。(資料2)をご覧ください。
※平成23年度予算が成立していないため、その後の計画変更等により公募内容が変更されることもあります。その場合、分野によっては公募開始後であっても募集が中止されますので、ご承知おきください。

2.募集期間

 平成22年11月1日(月)~平成22年12月3日(金)

3.候補者となるために必要な要件及び留意事項

(1)公募する観測部門での役割、必要な能力、資格等の条件については(資料2)をご覧ください。

(2)南極は極寒、強風、文明国からの隔離など厳しい環境であり、南極での行動中は、文明国と隔離された閉鎖社会となり、国内とは異なる条件下におかれることとなります。職務に必要な専門的知識・経験を有することはもとより、心身ともに健康で協調性があり、歴史ある国家事業に従事する観測隊員としての自覚と責任を持てることが条件となります。
 詳しくは、
 ①南極地域観測隊員として観測事業に携わることについての説明(資料3
 ②南極における医療の現状と限界についての説明(資料4
を理解してください。

(3)国立極地研究所において「観測隊員となる職員(期限付き)」として雇用します。期限付き雇用契約であることを承諾できる方とします。(雇用期間は、4.項(2)をご参照ください)

(4)応募に当たっては、応募用紙に次による2通以上の推薦状を必ず添付してください。選考の際の参考とします。
推薦状は、以下の要領で作成してください。

  • 少なくとも1通は、現在の職場の代表者、所属長もしくは上司が作成したものが望ましい。
  • 推薦状は、親族関係にある者以外が作成すること。
  • A4サイズ、1枚以内とし、書ききれない場合は裏面を利用すること。
  • 応募者の氏名及び推薦状作成者の住所、氏名、電話番号(あればメールアドレス)、作成年月日が明記されていること。場合によっては推薦状作成者に連絡することがあります。
  • 推薦状作成者と応募者との関係が記載されていること。
  • 推薦理由には協調性や適応能力などの資質、観測隊員となるに当たって必要とされている専門技術・能力のレベルについて分かりやすく記載されていることが望ましい。
  • 推薦状は必ず推薦状作成者本人が署名し、封筒に入れ封印を押したものに限る。開封無効。

4.期限付き雇用契約の条件

(1)雇用までのプロセス(予定)

平成22年11月1日:
12月3日:
12月中旬:
平成23年1月:
 1月~2月頃:
2月以降:
3月初旬:

6月下旬:
【7月1日~10月1日】:

公募開始
公募締め切り
国立極地研究所 隊員候補者選考分科会
書類選考等結果通知の郵送
面接
身体検査
冬期総合訓練(隊員候補者は原則として参加)
雇用契約のための事前説明(7.その他参照)
夏期総合訓練(隊員は原則として参加)
「観測隊員となる職員」として雇用予定ですが、採用日は、個別に相談のうえ決定します。

(2)雇用期間、給与・手当

1)国立極地研究所における期限付き職員(観測隊員となる職員)としての雇用期間(予定)
  越冬隊:【採用日 *1】~平成25年3月末日
  ※1)採用日は、個別に相談のうえ平成23年7月1日~10月1日のいずれかになります。

2)給与は、規定に基づき国立極地研究所から、年俸を月割りにして、月給として支給されます。ボーナスに相当する部分は、月給に含まれています。

3)基本給のほかに、通勤手当(2km以上の距離を交通機関等を利用して通勤した場合に支給)、時間外手当(所定の勤務時間を超えて勤務を命じられた場合)、極地観測手当(南緯55度以南で勤務した場合に支給)が支給されます。

(3)観測隊員として南極に出張し、国内に不在となる期間(予定

1)第53次隊に関する日程の概要は、(資料5)のとおりです。

  • 越冬隊:平成23年11月下旬~平成25年3月下旬(約1年4か月間)

5.隊員候補者選考方法

 選考は、下記により実施します。

実施内容 選考基準 実施場所

国立極地研究所南極観測委員会のもとに置く隊員候補者選考分科会が書類選考及び必要に応じ面接を行います。面接を必要とする場合は、別途通知します。

観測隊員に求められる資質(資料6)を満たすことが必要条件です。

国立極地研究所
(面接も同じ)

6.書類等による選考結果の通知等

(1)採否にかかわらず、選考の結果は平成23年2月上旬頃に、国立極地研究所南極観測センターから郵送で通知する予定です(応募状況により、通知の日程は前後します。)

(2)選考の結果、適格と判断された方については、下記のとおり身体検査及びそのデータによる健康判定を実施し、その結果に基づき国立極地研究所から隊員候補者として南極本部に推薦します。

実施内容 判定基準 実施場所

国立極地研究所が指定する病院で身体検査(資料7)を受検して頂きます。他の病院での受検データによる判定は行いません。特別な検査項目を含むため、3日間程度かかることを承知しておいてください。
(日程については別途ご相談します)

複数の医師を中心とした、極地観測隊員健康判定委員会が判定を行います。極地での行動に支障のない健康状態であることが判定基準となります。

国立極地研究所が指定する病院

7.その他

(1)面接のための旅費は、自己負担になります。ただし、身体検査に係る経費(検査費用及び交通費・宿泊費等)は国立極地研究所が負担します。

(2)なお、6.(1)により書類等の選考結果を通知した後、正式雇用までの間に雇用契約の事前説明をします。

8.応募方法

(1)応募用紙(資料8)(様式をダウンロードして下さい)に必要事項を記入して、「推薦状」とともに下記に郵送して下さい。(「南極地域観測隊員候補者応募書類在中」と朱書きのこと。)

(2)応募用紙、推薦状とも必ず押印してください。押印の無いものは無効です。

(3)応募書類は必ず郵送とし、メール・電子媒体や直接持参等、他の方法での応募はお断りします。

(4)締め切り日:平成22年12月3日(金)必着。(締め切り日を過ぎて到着した場合、開封せずに返送します。)

※万一、応募書類に虚偽や事実と異なる記載があった場合、採用を取り消すことがあります。
※郵便事故等による未着についての責任は負いませんので、心配な方は書留にしてください。

<郵送先住所>
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
国立極地研究所 南極観測センター 企画調整チーム

9.個人情報保護

 本公募に関連して提出された個人情報については、選考の目的に限って利用し、選考終了後は、隊員として採用された方の情報を除き、全ての個人情報は責任を持って廃棄します。

10.公募以外の分野について

 今回の公募とは別に、国立極地研究所は、現在所属する会社、大学、研究機関等の身分のままで、南極地域観測隊員になれる方を選考し、南極本部に隊員候補者として推薦しています。

11.問い合わせ先

公募に関するお問い合わせは、下記にお願いします。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 
国立極地研究所南極観測センター企画調整チーム  大下(おおした)、金子(かねこ)
(TEL:042-512-0780, E-mail: