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第60次日本南極地域観測隊員候補者の公募について

(資料E)

観測隊員に求められる資質

南極は、極寒、強風、文明圏からの隔絶など厳しい環境にある。その中で業務を遂行する南極地域観測隊は、チームワークが非常に重要であり、観測又は設営に従事する南極観測隊員は、以下のような条件下で自己の能力を最大限に発揮できる資質を有していることが不可欠であり、選考の基準となります。

1.南極地域観測隊員としての自覚と責任

日本南極地域観測隊は、半世紀以上にわたる輝かしい歴史を有しており、かつその観測成果は、国際的協力体制の下で地球環境システムの解明のために活用されている。この名誉ある観測隊の一員としての誇りを常に自覚し、どのような環境に置かれた場合でも、責任ある行動をとることができる人物であること。

2.心身ともに健康であること

南極という厳しい環境で任務を遂行するためには、強健な身体を有することが求められる。さらに、閉鎖社会の中で他の隊員と共に、業務のみならず衣食住も共にするため、心の健康も重要である。特に越冬隊員については身体能力のみならず、長期間にわたり文明圏から隔絶された南極生活に耐えられるだけの高い精神力・適応力・協調性が必要である。

なお、南極地域観測隊の医療体制は、妊娠及び出産に対応していないため、妊娠している者は、隊員となることができない。(資料B ⑦についても参照)

3.隊長の指示及び諸規則に従うこと

観測隊は、隊長の指揮権下で行動することになっているため、隊長の指示及び命令に従うとともに、隊員となった際に渡される「南極地域観測隊員必携」に掲げてある諸規則を遵守できる人物であること。

4.観測隊のために積極的に協調性を発揮すること

南極観測隊は限られた隊員で維持されるため、各自が持てる知識・能力をフルに発揮し職務に当たることが必要である。また、担当分野を超えた積極的な交流・協力も欠かせない。例えば、夏期間の作業における設営部門の建設作業の支援、越冬隊における除雪作業など、観測隊及び基地の維持に必要な多くの作業を隊長の命令に従い、一致団結して行うことのできる人物であること。

5.高度な専門性と柔軟な対処能力

南極観測隊は専門家の集団である。隊員の専門分野における能力及び経験が十分に発揮されてこそ観測活動が成り立つと言っても過言ではない。個々の隊員には高度な専門的能力が求められるのみならず、想定外の問題が発生した場合にも迅速に対処できる幅広い知識と柔軟な対処能力が必要である。このためには、専門分野以外にも意欲的に取り組める人物であること。

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