大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所

国立極地研究所ホーム>研究成果・トピックス>第61次南極地域観測隊公開利用研究公募要項

ニュースとお知らせ

第61次南極地域観測隊で実施する公開利用研究を募集します

平成30年12月25日

大学等の研究者が、昭和基地や南極観測船「しらせ」などの南極地域観測事業のプラットフォームを利用し、事業計画の枠組みに縛られることなく南極の科学的価値を最大限に活用し、かつ比較的短期間に集中して研究を推進することを目指して、第61次南極地域観測隊(以下「第61次隊」と言う。)で実施する「公開利用研究」を募集します。

※参考資料は以下でご確認ください

第61次南極地域観測隊公開利用研究公募要項

1. 公開利用研究

募集する「公開利用研究」の枠組みは以下の通りです。

(1)定義

1)南極の特色を生かした研究や技術開発
2)中期計画に載らない機動的な計画
3)比較的短期間に集中して実施する計画
4)南極地域観測事業のプラットフォームを利用する計画
5)必要な経費は実施者側で負担する計画

(2)実施体制

1)公開利用研究は、研究を統括する研究代表者及び共同で研究を行う共同研究者とで実施します。
2)公開利用研究の実施にあたり、国立極地研究所(以下「研究所」と言う。)は必要に応じて所内対応者を指名し、研究の実施を支援します。
3)公開利用研究は、原則として、当該研究を実施する同行者の派遣を要します。
4)同行者は、研究代表者又は共同研究者のいずれかで、所属機関の職務として観測隊に同行できる方に限ります。
5)やむを得ず同行者の派遣ができない計画については、研究所が第61次隊と協議のうえ、隊員の中から担当者を決定します。

(3)経費負担

公開利用研究の実施に要する経費は、研究所では負担いたしません。すべて申請者側でご負担いただく必要があります。ただし、「しらせ」による海上輸送に要する経費はこの限りでありません。

参考)南極往復に要する経費(第60次隊の例)
・日本-オーストラリア往復航空券代
・同行期間中に要する食卓費(2,198円/日)
・昭和基地滞在中の施設利用費(320円/日)

(4)実施地域

1)海洋(豪州フリーマントル-昭和基地-豪州シドニー間の航路上)
2)海氷上(昭和基地周辺)
3)昭和基地及び周辺
4)沿岸露岩域(宗谷海岸及びプリンスオラフ海岸)

(5)利用可能なプラットフォーム

1)南極観測船「しらせ」
2)昭和基地及び沿岸観測施設

(6)実施期間

研究の実施期間は、以下の通り大きく夏期間と越冬期間の2つの期間があり、実施場所によっても多少異なります。

1)夏期間(「しらせ」船上実施の場合):2019年12月上旬〜2020年3月中旬までの間
2)夏期間(昭和基地やその周辺又は内陸地域での実施の場合):2020年1月上旬〜2020年2月上旬までの間
3)越冬期間:2020年1月上旬-2021年2月上旬までの間

(7)同行期間

同行者の同行期間は、夏期間(2019年11月下旬から2020年3月下旬まで)とします。越冬期間中の研究実施を希望する場合でも同行は夏期間のみです。その場合、越冬期間中は別に担当者を設けますが、可能な限りメンテナンスフリーなシステムを計画してください。

2. 募集分野

南極の特色を生かした研究や技術開発であれば、学問分野は問いません。

3. 申請資格

公開利用研究の申請者は、研究組織の研究代表者とし、以下のいずれかの身分を有する者とします。

1)大学及びその他の教育研究機関に所属する教員及び研究者(大学院学生及び学生は除く)
2)国公私立研究機関、国立研究開発法人等に所属する研究者
3)上記に準ずる者

4. 申請締切

2019年3月25日(月)17:00必着

5. 申請方法

第61次日本南極地域観測隊公開利用研究申請書(Word)」を作成のうえ、南極観測センター研究支援チームまでメールに添付してお送りください。

宛先:ant-kenkyu@nipr.ac.jp(南極観測センター研究支援チーム)

6. 採択予定課題数及び同行者数

(1)採択予定課題数:第61次隊の事業計画に支障のない範囲で数件程度を予定しています。
(2)同行者数:第61次隊の隊員編成計画に支障のない範囲で数名程度を予定しています。

7. 審査

審査は、申請書類により科学的評価及び実行可能性評価の2つの観点で実施し、最終的に研究所に設置した南極観測審議委員会(外部委員で構成)で採否を決定します。

(1)科学的評価
科学的評価は、申請課題の研究分野を踏まえ、南極観測審議委員会のもとのいずれかの専門部会(宙空圏、気水圏、地圏、生物圏:所外委員で構成)で行います。申請課題の研究分野がいずれの専門部会での審議にも適さない場合は、所内委員で構成する南極観測委員会で評価します。

(2)実行可能性評価
実行可能性評価は南極観測委員会が行います。なお、実行可能性評価に際しヒアリングを実施する場合があります。

8. 審査基準

(1)科学的評価

1)研究目的が南極の特色を生かした研究や技術開発として高い価値を有しており、科学的成果が期待できるか
2)研究計画が期待される成果をあげるために妥当か

(2)実行可能性評価

1)南極地域観測の枠組み(プラットフォーム、規制等)に照らして実行可能か
2)第61次隊の全体計画に照らして実行可能か
3)第61次隊の隊員編成計画に照らして同行者の受け入れが可能か

9. 審査結果通知

審査結果は、2019年5月末頃を目途に、申請書記載の連絡先(メールアドレス)宛にメールで通知予定です。なお、採択した計画については、研究代表者名、研究計画名、計画概要(研究目的等)を国立極地研究所のホームページで公表する予定です。

10. 今後の主なスケジュール(予定)

2019年5月末頃:
6月上旬頃:
6月中下旬:
7月頃:
8月下旬以降:
9月上旬頃:
11月下旬:
12月初旬:
 
2020年1月上旬頃:
2月上旬頃:
 
3月下旬:
 

審査結果通知
準備開始
夏期総合訓練(5日間 合宿形式)
同行者健康確認
全員打合会(出発までの間に全3回)
同行者決定
出発(豪州フリーマントルで「しらせ」乗船)
「しらせ」フリーマントル発
以降昭和基地着までの間、海洋観測を実施
昭和基地着
昭和基地発
以降シドニー到着までの間、海洋観測を実施
「しらせ」豪州シドニー着
帰国(シドニーで「しらせ」下船)

11. 観測隊同行にあたっての留意事項

(1)公開利用研究において観測隊に同行する者は、観測隊においては「同行者」として隊員に準ずる者として正式に位置付けられます。このため、「南極地域観測隊員として観測事業に携わること」についての説明を予めご確認のうえ、南極観測事業に携わるために必要な自覚や各種制限等について、予めご理解ください。
参考資料1:南極地域観測隊員として観測事業に携わること

(2)安全確保には組織として努力していますが、申請者は同行者の万一の場合を想定し、観測作業上の事故に、対処できる保険などを準備してください。なお、研究所では、職員採用などによる身分保障はいたしません。

(3)南極は過酷な環境にあり、そこでの観測活動と設営作業は、国内とは比較にならない危険を伴うものとなります。そのため、医療の面では数々の制約があり、国内と同等の医療水準を確保することは困難です。ついては、観測隊に参加するにあたり、「南極における医療の現状と限界についての説明」で述べる医療の状況と限界について十分に理解していただく必要があります。
参考資料2:南極における医療の現状と限界についての説明

なお、「南極における医療の現状と限界についての説明」については、課題採択後に同行者に対して改めて説明します。それを受け、「当該説明を受け、内容を理解した上で家族にも説明し、家族に同意を得た上で観測隊への参加を承諾する」旨の承諾書を提出していただく必要があります。当該承諾書の提出ができない場合は、観測隊に同行することはできません。

(4)同行者として参加される方には、観測隊員と同等の身体検査を受検して頂く必要があります。また、観測隊の活動・計画を把握できるよう、6月に実施される夏期総合訓練および出発までに3回程度開催される観測隊の全員打合会に参加して頂きます。なお、これらに要する費用は、研究所では負担いたしませんので、申請者側でご負担ください。

(5)同行者は、上記身体検査の結果の確認(健康確認)及び南極地域観測統合推進本部(事務局:文部科学省)の議を経たうえで、最終決定となる予定です。健康確認の結果、同行者として認められない場合がありますので、予めご留意ください。

(6)課題採択後、同行予定者が上記及びその他の理由により観測隊に同行できなくなった場合は、課題の採択そのものを取り消す場合があります。

12. 環境保護に関する留意事項

南極地域での活動は、すべて「南極地域の環境の保護に関する法律」に基づいて、環境に留意して実施する必要があります。計画立案、現地での観測に際しては、以下の「南極地域の環境の保護に関する法律により禁止又は制限される行為等」に十分に留意する必要がありますので、予めご承知おき下さい。

参考資料3:南極地域の環境の保護に関する法律により禁止又は制限される行為等

なお、「南極の環境保護に関する法律」の詳細については、以下の環境省のHPを参照してください。
<URL : http://www.env.go.jp/earth/nankyoku/kankyohogo/index.html

13. 実施に際しての取り扱い

公開利用研究の実施に際しては(終了後においても)、採択決定時に配布する「南極地域観測第Ⅸ期6か年計画公開利用研究諸手続きの手引き」に従って、遺漏の無いよう手続きください。

具体的には、以下の手続きなどが必要です。
・観測計画書の提出(6月頃)
・安全対策計画書の提出(8月頃)
・観測隊報告原稿の提出(翌3月頃)

また、終了後にあっても、以下のような対応をお願いします。
・謝辞の記載:公開利用研究の成果を論文や学会等で発表する場合には、南極地域観測による成果であることを謝辞に記載してください。
・追跡調査への協力:公開利用研究の成果に関して研究所が実施する追跡調査(Ⅸ期終了後概ね1年程度までの間に行う予定)にご協力ください。参考までに、第60次隊(2018. 5発行)のものを以下に掲載しますので、予めご確認ください。

参考資料4:南極地域観測第Ⅸ期6か年計画 公開利用研究 諸手続きの手引き(2018.5)(PDF)

14. 取得データの取り扱い

公開利用研究により取得したデータは、別に取り決めがある場合を除き、原則として公開していただく必要があります。

また、メタデータについては、「南極地域観測事業により得られた調査観測データ・サンプルの取扱要項」の規定を準用することといたしますので、期限内に情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設極域環境データサイエンスセンター(PEDSC)に提出してください。具体的な手続きにあたっては、以下の「南極観測事業における国立極地研究所が担当する調査・観測によって得られたデータ・サンプル取り扱いマニュアル」に従ってください。

なお、データの公開にあたっては、PEDSCで整備しているデータベースをご利用いただけます。そちらでの公開を希望される場合は、「19. 問い合わせ先」の「データの取り扱いに関する問い合わせ先」までご連絡ください。

参考資料5:南極地域観測事業により得られた調査観測データ・サンプルの取扱要項(PDF)
参考資料6:南極観測事業における国立極地研究所が担当する調査・観測によって得られたデータ・サンプル取り扱いマニュアル(PDF)

15. 冬期総合訓練への参加

2019年2月25日〜3月1日の間に長野県の乗鞍高原において第61次隊の冬期総合訓練(雪中訓練を含む)を実施予定です。申請に先立って、参加を希望される方は、2019年1月31日(木)までに、「19. 問い合わせ先」までご連絡ください。なお、訓練に要する経費は、原則として、すべて申請者側の負担となります。

16. 実行可能性評価に係る事前相談

申請しようとする内容の実行可能性を上げるために、「しらせ」や「昭和基地」の設備や、プラットフォーム上の制約について事前相談をお受けする期間を次の通り設定しますので、初めてのご申請を考えている方等、ご遠慮なく「19. 問い合わせ先」までご連絡ください。

事前相談期間:2019年12月25日〜2020年3月11日(月)

なお、相談をお受けする職員は、「情報・システム研究機構職員就業規則」や「情報・システム研究機構研究活動不正への対応に関する規程」により、相談内容の漏洩や研究アイディアの盗用を固く禁じられておりますことを申し添えます。
また、事前相談では、科学的評価及び実行可能性評価そのものはいたしませんので予めご了承ください。

17. これまでの実施課題

参考までに、第Ⅷ期及び第Ⅸ期6か年計画においてこれまで実施した公開利用研究を以下の一覧にまとめてありますので、ご覧ください。

参考資料7:公開利用研究実施一覧(第Ⅸ期)(PDF)

18. 個人情報の保護

本募集に関連して提出された個人情報は、審査及び実施の目的に限って使用し、審査終了後は、採択された課題の情報を除き全ての個人情報は責任を持って破棄します。

19. 問い合わせ先

本件募集に関するお問い合わせは、以下の担当までお寄せください。お問い合わせの内容によっては、適宜、各部門のコーディネーターに取り次ぎいたします。

国立極地研究所 南極観測センター 研究支援チーム

TEL:042-512-0760、0786 FAX:042-528-3563
E-mail:ant-kenkyu@nipr.ac.jp
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 国立極地研究所

コーディネーター

宙空圏コーディネーター:行松 彰
気水圏コーディネーター:藤田秀二
地圏コーディネーター:土井浩一郎
生物圏コーディネーター:工藤 栄

 

(データの取り扱いに関する問い合わせ先)
情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設極域環境データサイエンスセンター
E-mail:pedsc-jare@nipr.ac.jp

ページの先頭へ