生物圏研究グループ 渡辺佑基 助教が
2011年度山崎賞を受賞しました

掲載日:2011年11月25日

「山崎賞」とは

哲学者・故山崎正一教授の芳志を生かすべく、創設された学術奨励賞であり、対象は、学術分野全般で優れた実績を積み上げている人であり、また、その研究を奨励するという意味で贈られる。

受賞理由

東京大学大学院博士課程でとり組んだバイカルアザラシによる野生動物の栄養状態と遊泳行動の関係を定量化した研究は、東京大学における最高の学位論文に与えられる「東京大学総長賞」を受賞。その後次々と発表した論文で、注目される研究者としてネイチャー誌に紹介されるなど、第一線の若手研究者として世界的に認められ、海外の研究プログラムへの参加招聘を受けている。

フィールド科学の実験現場では、僅かなデータを得るために膨大な作業を求められることが、しばしばあり、ときには作業が徒労に終わることもある。

氏はこうした現場作業をよくこなし、高い評価を受ける結果を出している。

南極のドイツ基地、冬季のバイカル湖、揚子江、スピッツベルゲン、などで厳しい環境下の活動に単身参加、現地の研究者らから信頼を寄せられている。地球環境問題に関わる海洋生物研究者として、一層期待されている。

参考資料(一部)

[1]Watanabe YY, Sato K, Watanuki Y, Takahashi A, Mitani Y, Amano M, Aoki K, Narazaki T, Iwata T, Minamikawa S, Miyazaki N. (2011) Scaling of swim speed in breath-hold divers. J. Anim. Ecol.80:57-68
[2]Watanabe YY, Takahashi A, Sato K, Viviant M, Bost C - A (2011) Poor flight performance in deep-diving cormorants. J. Exp. Biol. 214:412-421
[3]Watanabe Y, Sato K (2008) Functional dorsoventral symmetry in relation to lift-based swimming in the ocean sunfish Mola mola. PLoS ONE 3(10): e3446
[4]渡辺佑基 (2010) マンボウの奇妙な形態と遊泳様式 遺伝 64(3):25-30
[5]渡辺佑基 (2010) アゴヒゲアザラシ幼獣に見られた遊泳能力の急速な発達遺伝
64(3):47-52