GRENE北極気候変動研究事業の特任研究員De Silva, Liyanarachchi Waruna Arampathさんと総研大極域科学専攻の小島本葉さんが青田昌秋賞を受賞しました

掲載日:2014年2月19日

第29回北方圏国際シンポジウムが2月16日〜19日にかけて北海道紋別市で開かれましたが、今回、同シンポジウム実行委員会は「オホーツク海および氷海に関連する研究」の発展に寄与する優秀な講演を行った若手研究者に青田昌秋賞の授与を制定しました。2月19日に行われた閉会式では、栄えある第1回青田昌秋賞受賞者の発表があり、De Silvaさんと小島さんを含む3名の若手研究者が選ばれました。
  この青田昌秋賞は、長年、同シンポジウムの企画・運営を盛り立ててきた流氷研究の第一人者で、2012年10月に逝去された故北海道大学名誉教授・青田昌秋氏の功績を称えて創設されました。対象となる研究者(講演者)は、原則として満40歳未満で講演要旨集に掲載された研究を講演し、自薦または他薦で審査申込を行った者から選出されます。

De Silvaさんは「A high-resolution hindcast study for the Northern Sea Route」というタイトルで北極海航路の短期海氷予測に関する研究を発表し、海氷/海洋連成モデルの改良により、北東航路側の海氷分布を高精度で再現することが可能となったことを示しました。
 また、同時に受賞した小島本葉さんは、2013年1月に東京海洋大学の研究練習船・海鷹丸に乗船した際、南極海季節海氷域における流氷内と水柱内の動物プランクトンの分布を調べた時の、海氷中に分布する動物が水柱の生物にどのような影響を与えているのかを考察した「Sea ice may be a direct food source for fish」の発表を行いました。
 なお、二人の発表内容を第29回 北方圏国際シンポジウム要旨集から転載しています。

小島さんは、「大変光栄な賞をいただき、嬉しい気持ちとこれから益々頑張らなくては」と気持ちを引き締めながらも喜びを語ってくれました。その他にも多くの若手研究者の発表があり、若手の今後の活躍に期待が膨らみながらシンポジウムが無事、終了しました。

*De Silva, Liyanarachchi Waruna Arampath
スリランカ出身。東京大学大学院へ留学し、2013年9月博士(工学)取得。2013年10月より北極観測センターGRENE北極気候変動研究事業の特任研究員となり、現在、東京大学新領域創成科学研究科山口一研究室で海氷研究を行っている。

シンポジウム最終日に行われた青田昌秋賞授賞式。右から3人目がDe Silvaさん、左から3人目が小島さん。