南極研究科学委員会（SCAR）が南極研究における重点研究課題を選定
2014年8月13日
国際科学会議（ICSU）の委員会のひとつである南極研究科学委員会（The Scientific Committee on Antarctic Research、SCAR）は、南極研究において今後20年以上にわたり重要となるであろう優先研究課題80課題を選定しました。
選定は、広く集められた多数の研究課題の中から、将来を見据えた議論と投票を通じて、重要な研究課題を選定していく、ホライズン・スキャン（horizon scan）という手法で行われました。
南極の研究に関してホライズン・スキャンが行われたのは今回が初めてのことです。SCARの国際委員が指名した研究者および政策担当者75人が一堂に会し、850以上の研究課題の中から、優先研究課題として6分野80課題を選定しました。
選定された研究課題は、ウェブサイトで見ることができます。
選定分野
１．南極大気と南大洋の影響が世界に及ぼす範囲を明確にする
２．氷床が質量を失う過程、場所、原因を理解する
３．南極地域の歴史を明らかにする
４．南極地域の生命がどう進化して生き残ってきたのかを学ぶ
５．空間と宇宙を観測する
６．人間の影響を認識して軽減する
リンク
- SCAR前委員長による解説 "Six priorities for Antarctic Science" Nature, 512, 23-5（英語）
http://www.nature.com/news/polar-research-six-priorities-for-antarctic-science-1.15658 - 選定された研究課題（上記Natureの補足記事、英語）
http://www.nature.com/polopoly_fs/7.18965.1407332749!/suppinfoFile/512023a_s1.pdf - 課題選定についての詳細な報告 M.C. Kennicutt, II, et al. "A roadmap for Antarctic and Southern Ocean science for the next two decades and beyond" Antarctic Science, 2014（英語）
http://dx.doi.org/10.1017/S0954102014000674 - 南極研究科学委員会 ホライズン・スキャン（英語）
http://www.scar.org/horizonscan - 南極研究科学委員会 （英語）
http://www.scar.org/
※更新情報
2014年9月2日 選定分野の和訳文を改訂しました。
2014年9月19日 リンクを追加しました。
