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白石和行国立極地研究所長が南極を巡る国際的組織「南極観測実施責任者評議会(COMNAP)」議長に選出されました

2014年9月3日

2014年8月27日-29日にクライストチャーチ(ニュージーランド)で開催された南極観測実施責任者評議会年次総会において、白石和行国立極地研究所長がアジアからは初となる同評議会議長(任期3年:2014-2017)に選出されました。

南極観測実施責任者評議会(COMNAP:Council of Managers of National Antarctic Programs)は、実際に南極での研究活動を実施している、29カ国の南極条約協議国の代表で構成されています。

同評議会は、各国の南極観測実施機関によって、1988年に創設されました。南極での科学研究を支援するため、行動(オペレーション)や設営面において、南極の環境に配慮した最も効果的かつ適切な方法を開発、発展させることを目的として、各国の情報交換の機会を提供し、国際連携を推進しています。また、各国の南極観測の経験を活かし、「南極条約体制」の維持と発展に寄与しています。

南極観測実施責任者評議会年次総会2014

現在の南極観測における大きな課題として「安全」と「エネルギー」があります。氷海を航行する船舶や、近年目覚しく発展した南極での航空機の運行を安全に実施するための情報収集や緊急時の対応策は南極地域全体にわたって共通する問題となっています。また、石油を主とした化石燃料とは別に自然エネルギーの利用に係る技術開発にも各国が大きな努力を払っています。加えて南極に人類がもたらす「環境影響問題」=例えば、本来南極には生存していない生物種が他の地域から持ち込まれること=への対応も近年重要な課題となっています。

今回の年次総会で、議長(日本)と副議長5名(英国、韓国、チリ、フランス、オーストラリア)及び事務局長からなる執行委員会によって、新しい運営がスタートすることが決まりました。日本の南極観測の中核的実施機関である国立極地研究所の白石所長は、同評議会副議長の経験(2008年-2011年)とこれまでの極地観測の業績とリーダーシップを活かして、科学研究活動へのサポートだけではなく、将来の世代や地球のために南極の環境を護り、南極の重要性を国際社会に訴えていく同評議会の重要な役割の舵取りも担うことになります。

日本は、1957年-58年の国際地球観測年(IGY:International Geophysical Year)に南極観測に参加することを表明し、その1年前の1956年には第1次南極観測隊が出発しました。1959年12月には「南極条約」が12カ国の間で採択され、日本は原署名国として名を連ねています。以来、日本はアジアにおける南極観測の先駆者として研究観測活動を続け、地球環境変動を始めとするさまざまな課題の解明にむけて、国際連携に貢献しています。

参考

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