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北極・ニーオルスン基地 開設25周年の記念ワークショップを開催

発表:2016年9月8日
掲載:2016年9月10日
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所

国立極地研究所(所長:白石和行)は、平成28年(2016年)9月7日、北極・ニーオルスン基地開設25周年を記念したワークショップを開催しました。

国立極地研究所は、このたび、北極・ニーオルスン基地が開設25周年を迎えたことを記念して、ニーオルスン(ノルウェー)にて国際ワークショップを開催しました。

ニーオルスン基地は、平成3年(1991年)4月に、ノルウェー・スバールバル諸島のスピッツベルゲン島ニーオルスン(Ny-Ålesund、北緯78度55分、東経11度56分)に、北極圏(北緯66.5度以北)では日本で初めてとなる常設の観測基地として開設されました。ニーオルスンには現在、11か国(※1)の基地や施設がありますが、日本の基地開設はアジアの国の中で最も早く、現在に至るまで、温室効果ガスや大気中エアロゾルの連続観測、北極域の生態系調査などを実施しています。

ワークショップには、来賓として「北極のフロンティアについて考える議員連盟」から鈴木俊一会長(衆議院議員)及び上川陽子幹事長(衆議院議員)のほか、日本政府から白石和子外務省北極担当大使、白間竜一郎文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当)等が出席され、ニーオルスン基地が果たしてきた役割や、同基地での観測・研究活動を今後も日本が引き続き支援していくこと等をスピーチされました。また、日本および、ノルウェー、ドイツで極域研究を実施する研究所から、これまでの研究成果や、国際共同研究による観測の実績について発表があったほか、今後の北極圏での研究観測において、どのように国際連携を強化すべきかなどについて議論を交わしました。

ワークショップ概要

『ニーオルスン基地開設25周年記念 スバールバル観測拠点連携推進国際ワークショップ』

日時:平成28年(2016年)9月7日(水) 13:30〜16:00(現地時間)
会場:キングスベイ共用講堂 (ノルウェー スバールバル諸島ニーオルスン)
主催:国立極地研究所
参加者:65名(日本からの来賓のほか、ニーオルスンに滞在中の各国研究者等)
プログラム:下に記載

ワークショップでのコメント抜粋

Nalân Koç(ナーラン・コッチ)氏(ノルウェー極地研究所 研究部長)
「スバールバルは独自の自然環境と、研究インフラの整備によって、科学者にとって非常に魅力的な場所となっている。今後の北極の気候や環境を研究するにあたっては、国際的な協力は不可欠であり、我々は日本の極地研や各国の研究機関との連携をますます強化する必要がある。」

鈴木俊一 衆議院議員(北極のフロンティアについて考える議員連盟 会長)
「我々『北極のフロンティアを考える議員連盟』としても、日本の強みである科学技術を活かし、北極圏の諸課題の解決に今以上に積極的に貢献できるよう、引き続き最大限支援していきたい。」

上川陽子 衆議院議員(北極のフロンティアについて考える議員連盟 幹事長)
「今後、これまでの25年に及ぶ研究・観測活動及び国際連携の経験をさらに活かして、本観測拠点における研究観測が継続され、北極圏が直面する諸課題の解決に貢献するとともに、その科学的成果をステークホルダーに適切に発信されていることを期待する。」

白石和子 北極担当大使(外務省)
「次の25年間には、北極の環境変化はこれまでより急速になると言われており、国際社会は科学技術の力に期待している。北極研究の最前線であるこの場所での研究活動が、より良い成果をあげられるよう、北極担当大使として、ノルウェーおよび国際的なステークホルダーとのさらなる協力を促進していく。」

注釈

※1 ニーオルスンに基地や施設を有する国:
日本、ノルウェー、ドイツ、イギリス、スウェーデン、フランス、イタリア、中国、韓国、オランダ、インド(順不同)


会場前での記念撮影


スピーチを行う鈴木議員


スピーチを行う上川議員


スピーチを行う白石大使


スピーチを行うナーラン・コッチ氏


議論のようす

プログラム

1. 開会のご挨拶
 白石和行(国立極地研究所長)

2. 来賓ご挨拶
 鈴木俊一 衆議院議員(北極のフロンティアについて考える議員連盟 会長)
 Nalân Koç 氏(ノルウェー極地研究所 研究部長)
 上川陽子 衆議院議員(北極のフロンティアについて考える議員連盟 幹事長)
 Ole Øiseth 氏(キングスベイ社 ディレクター)
 白石和子 北極担当大使(外務省)

3. プレゼンテーション

  • 榎本浩之(国立極地研究所 副所長・国際北極環境研究センター長)
    「ニーオルスン基地25周年のあゆみ」
  • Kim Holmén 氏(ノルウェー極地研究所 国際部長)
    “Ny-Ålesund Cooperation for 25 years; Inspiration for New Scientific Achievements Together”
  • Roland Neuber 氏(ドイツ・アルフレッドウェーゲナー極地海洋研究所 科学部長)
    “25 years of Japanese and German Stations in Ny-Ålesund: Bases for Long-lasting Cooperation”
  • Ole Jørgen Lønne 氏(スバールバル大学センター/スバールバル統合観測システム(SIOS)ディレクター)
    “SIOS(Svalbard Integrated Earth Observing System)- Opportunities and Expectations”
  • Marzena Kaczmarska 氏(キングスベイ社 リサーチアドバイザー)
    “Ways to Common Research Infrastructure”

4. 全体討論

5.閉会のご挨拶

お問い合わせ先

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