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公開利用研究の公募について ―第59次南極地域観測隊での実施に向けて―

平成29年2月9日

国際地球観測年1957-1958年(昭和32-33年)を契機に開始された日本の南極地域観測事業では、昭和52年から5年(第Ⅶ期にあっては4年)を一区切りとする中期的な計画を基に、各年度の実施計画を立案してまいりました。平成22年-28年(第52次-57次)の第Ⅷ期に引き続き、現在、実施されている第Ⅸ期計画(PDF)は、平成28-34年(第58次-63次)の6年間を単位とする中期計画に基づいた枠組みで実施しております。

前期第Ⅷ期計画から、「公開利用研究」という新たな研究観測のカテゴリーを導入いたしました。現在実施している第Ⅸ期計画では、本制度を更に発展させる観点から、人文・社会学領域等からの公募も実施しております。なお、第Ⅷ期計画まで「公開利用研究」として実施していた観測のうち、国内外の研究機関や気象業務機関から継続的に依頼があり、かつ、作業内容も軽微な現業的委託観測については、「継続的国内外共同観測」と位置づけ、公開利用研究とは別に実施しております。

「公開利用研究」は、南極地域観測事業の枠外で実施される計画です。大学共同利用機関として、研究者の自由な発想を源泉とする学術研究を推進する役割を担っております国立極地研究所が、6か年にわたる事業計画に載らない、機動的な計画を募集するものです。大学等の研究者が事業計画の枠組みに縛られることなく南極の科学的価値を最大限に活用し、かつ比較的短期間に集中して研究を推進することを目指しています。研究者は必要な経費を負担した上で、南極地域観測事業のプラットフォーム(観測船、基地等の施設・設備)を利用し、研究を実施することができます。なお、本募集にあたり第Ⅸ期では、現地で当該観測を実施する同行者を派遣することを前提として実施しております。

第59次隊において、公開利用研究として昭和基地方面で活動する期間は、平成29年12月中旬-平成30年2月上旬の夏期間であり、船上観測の場合は、平成29年12月上旬-平成30年3月中旬となります。課題数として数件、募集総人数として数名程度を想定しており、受付の締め切りを平成29年3月21日(火)といたします。1件の応募案件について第59次隊での実施のみとします。第59次以降、複数年次の観測隊にまたがる実施を希望される場合は、隊次毎にそれぞれ提出してください。

特に初めて実施する観測研究については、対応分野コーディネーター(極地研究所教員)が事前に確認を行いますので、応募前にご相談ください。なお、問い合わせ先については、下記を確認下さい。

課題の審査

国立極地研究所南極観測センターでは、提供するプラットフォームの許容限度や日程などを含め、当該隊での実行可能性の観点から第一次審査を行った後、実行可能性の高い計画についてはヒアリングなど改めて確認する機会を設けます。最終的には、国立極地研究所南極観測審議委員会で審議し、平成29年10月頃に決定する予定です。

申請代表者の資格

1)大学及びその他の教育研究機関に所属する教員及び研究者(大学院学生及び学生は除く)
2)国公私立研究機関、国立研究開発法人等に所属する研究者
3)上記に準ずる者

参加者の資格と留意事項

1)安全確保には組織として努力いたしておりますが、参加者は万一の場合を想定し、観測作業上の事故に注意し、対処できる保険などを準備していただきます。職員採用などによる身分保障はいたしません。観測隊においては同行者となり、隊員に準ずる者として「南極地域観測隊員として観測事業に携わること」についての説明を参考にしてください。

2)南極における医療の現状と限界を事前に確認・了解していただいております。

3)同行者として参加される方には、観測隊員と同等の身体検査を受診して頂く必要があります。また、観測隊の活動・計画を把握できるよう、可能な限り6月に実施される総合訓練および出発までに開催される観測隊の打ち合わせに参加して頂きます。

基本とする同行期間

平成29年11月下旬~平成30年3月下旬
出発までの具体的な予定等は、申請の後、下記担当より改めて案内致します。

公開利用研究実施の流れ

審査に通過した後、公開利用研究の研究代表者(PI)は、他の観測・設営と同様に実施項目などを記載する観測・設営計画調書を提出します。計画の実施後、実施責任者は今後の類似計画策定の参考とするため、観測・設営計画調書に基づき、自己点検を行います。自己点検を踏まえ、初期計画の達成状況・得られた成果を報告してください。複数年度実施する課題については、前年度の自己点検終了後に応募してください。

研究代表者は公表した観測成果について、南極観測センターに報告してください。なお観測隊に対して、謝辞などで明記してください。印刷物などについては、南極観測センターに送付をお願いします。また得られた成果は、国立極地研究所のデータポリシーに基づいて、公開してください。

申込締切(59次で実施を希望する計画)

平成29年3月21日(火) 必着

申込方法

下記の「公開利用研究申請書」に記載の上、南極観測センター 研究支援・環境保護チームまでメールでお送りください。
(送り先:ant-kenkyu@nipr.ac.jp

問合せ先

公開利用研究全般・分野別の問い合わせ先

下記、研究支援・環境保護チームまでお問い合わせ頂ければ転送します。

計画全般の問い合わせ:橋田 元 南極観測センター・副センター長(観測担当)

 宙空圏コーディネーター:堤 雅基
 気水圏コーディネーター:本山秀明
 地圏コーディネーター:土井浩一郎
 生物圏コーディネーター:工藤 栄

※60次隊以降に実施を希望する場合には、申込締切日(平成29年3月21日)以降でも、問い合わせを受け付けます。

事務的な問い合わせ・申し込み先

〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
国立極地研究所 南極観測センター 研究支援・環境保護チーム
TEL:042-512-0786 FAX:042-528-3563
E-mail:ant-kenkyu@nipr.ac.jp

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