第14回中高生南極北極科学コンテストの受賞提案を決定
2017年10月3日
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所
国立極地研究所(所長:中村卓司)は、第14回中高生南極北極科学コンテストの応募提案の審査を行い、南極や北極で実験・観測を行う「優秀賞・南極科学賞」「優秀賞・北極科学賞」ほか、各賞の受賞提案を決定しました。また、表彰および受賞生徒による提案の発表等を、2017年11月19日(日)に開催する「南極北極ジュニアフォーラム2017」の中で実施します。
「中高生南極北極科学コンテスト」は、中学生および高校生を対象に、南極・北極で実施したい研究提案を募集するもので、今年で14回目を迎えました。今年は、2017年6月27日から9月6日の応募期間内に、中学校・高等学校等35校から228件の応募がありました。
所内の研究者等による予備審査、一次審査の後、9月27日に開かれた審査委員会(委員長:藤井理行 国立極地研究所名誉教授)において二次審査が行われ、その結果、「優秀賞・南極科学賞」1件、「優秀賞・北極科学賞」2件、「優秀賞」3件、「奨励賞」5件の受賞提案が決定しました。
「優秀賞・南極科学賞」「優秀賞・北極科学賞」を受賞した提案については、今年から来年にかけ、南極域・北極域で実験・観測が行われます。また、表彰式および、受賞者による提案内容の発表、南極・昭和基地とのライブ中継による、前年受賞提案の実験報告等を、11月に開催する「南極北極ジュニアフォーラム2017」にて実施します。
中高生南極北極科学コンテストについて
「中高生南極北極科学コンテスト」は、中学生及び高校生から広く研究アイデアを募集する科学コンテストです。「優秀賞・南極科学賞」「優秀賞・北極科学賞」を受賞した提案は、南極地域観測隊および北極での観測をする研究者グループによって、南極・昭和基地や北極・ニーオルスン基地などで実験・観測が行われ、得られた実験結果は提案者へフィードバックされます。中高生や教員(教育現場)と、研究者、そして南極・北極の観測現場が連携する、ユニークな取組です。
主催: 情報・システム研究機構 国立極地研究所
後援: 文部科学省、日本学術会議、公益財団法人日本極地研究振興会
募集要項URL: http://www.nipr.ac.jp/juniorcontest/
南極北極ジュニアフォーラム2017について
日時: 2017年11月19日(日) 10:00~17:00
場所: 国立極地研究所 大会議室 (東京都立川市緑町10-3)
プログラム(予定):
・受賞提案の表彰
・受賞提案の口頭発表、ポスター発表。応募提案のポスター発表
・南極・昭和基地との中継による、前回受賞提案の実験報告 等
*受賞提案以外(今回惜しくも賞を逃した提案)の発表も歓迎いたします(ポスター発表となります)。また、聴講のみの参加も可能です。ご希望の方は極地研 広報室(kofositu@nipr.ac.jp)へご連絡ください。
第14回中高生南極北極科学コンテスト 受賞提案
※各賞において、提案者(グループの場合は代表者)の学年順。学年が同じ場合は氏名の五十音順。
優秀賞・南極科学賞
提案タイトル | 提案者名・グループ名 | 学校名 |
---|---|---|
南極昭和基地での人がいる時、いない時の微生物調査 | 菌らんらん 代表:マドックス姫アン(中2) |
奈良県立青翔中学校(奈良県御所市) |
優秀賞・北極科学賞
提案タイトル | 提案者名・グループ名 | 学校名 |
---|---|---|
北極圏の植物は就眠運動をするのか | TEAM FLORA PHOTONICS 代表:岡堀 有希(高2) |
青森県立名久井農業高等学校(青森県三戸郡) |
ムカゴユキノシタの環境適応 | 山口高校 科学チャレンジ 代表:西本 美晴(高2) |
山口県立山口高等学校(山口県山口市) |
優秀賞
提案タイトル | 提案者名・グループ名 | 学校名 |
---|---|---|
極地に生息している動物たちの皮膚には常在菌は付着しているのか | 屯田北中学校科学部微生物研究班 代表:小西 右恭(中1) |
札幌市立屯田北中学校(北海道札幌市) |
ペンギンは3Dが好き?2Dが好き?IN南極 | 守屋 真聖(中2) | 前橋市立南橘中学校(群馬県前橋市) |
昭和基地周辺の野外の土壌から発電する | 南極の微生物発電班 代表:吉田 雄斗(高2) |
奈良県立青翔高等学校(奈良県御所市) |
奨励賞
提案タイトル | 提案者名・グループ名 | 学校名 |
---|---|---|
南極の隔離された池の進化 | 探究生物班 代表:河上 真宙(高1) |
奈良県立青翔高等学校(奈良県御所市) |
海水中の二酸化炭素濃度とナンキョクオキアミの孵化との関連性 | 小島 璃久(高1) | 和歌山県立向陽高等学校(和歌山県和歌山市) |
南極の砂の調査 | 久住 樹璃(高2) | 千葉県立佐原高等学校(千葉県香取市) |
南極の微生物は標高が高いほど少なく、南極固有の微生物の割合が増える | 探究生物班2 代表:畑田 成輝(高2) |
奈良県立青翔高等学校(奈良県御所市) |
微小重力装置を使って地球上の磁場の方向を3次元的に確かめる | 大阪府立大手前高等学校 定時制の課程 科学部 代表:若林 健流(高2) |
大阪府立大手前高等学校 定時制の課程(大阪府大阪市) |
<備考>
1)各賞の意味
「優秀賞」 : 優れた提案。
「南極科学賞」: 優秀賞の中で、南極での研究計画として特に適した提案。本年11月に出発する第59次南極地域観測隊が、南極で実験または調査を行います。
「北極科学賞」: 優秀賞の中で、北極での研究計画として特に適した提案。北極で観測を行う研究グループが実際に北極で実験または調査を行います。
「奨励賞」 : 優秀賞に準ずる提案。
2)審査過程について
国立極地研究所に設置した審査委員会において、予備審査、一次審査、二次審査の3ステップで審査を行いました。審査では、応募者の氏名、グループ名、学校名等を伏せたうえで、提案書の内容を独創性および論理性の観点から検討し、「優秀賞」「奨励賞」を決定しました。「優秀賞」のうち、「南極科学賞」「北極科学賞」については、南極・北極での実施可能性の観点で審査しました。
・審査にあたった委員
予備審査: 国立極地研究所の研究者
一次審査: 国立極地研究所の研究者・技術者等
二次審査: 所外審査委員(6名)および国立極地研究所の研究者等
お問い合わせ先
国立極地研究所 広報室
TEL:042-512-0655
kofositu@nipr.ac.jp